松崎町議会、町長不信任案を可決 長嶋町長「辞職しない」 

下田版 2019年03月14日

起立によって不信任決議案に賛成する議員たち=松崎町役場
起立によって不信任決議案に賛成する議員たち=松崎町役場
記者の質問に応じる長嶋町長=松崎町環境改善センター
記者の質問に応じる長嶋町長=松崎町環境改善センター

 ■議会解散を表明

 松崎町議会3月定例会最終日の13日、稲葉昭宏氏と4人の賛同者が長嶋精一町長に対する不信任決議案を提出し、8人中、議長を含む6人の賛成で可決した。長嶋町長は閉会後の記者会見で「辞職するつもりはない」と明言し、地方自治法に基づき議会を解散する考えを表明した。これにより4月16日告示、21日の町議選は、任期満了ではなく議会解散により行われる見通しになった。

 賛成者は提出者の稲葉氏、賛同者の伴高志氏、深沢守氏、佐藤作行氏、福本栄一郎氏、議長の土屋清武氏。藤井要氏と渡辺文彦氏は反対した。

 稲葉氏は提案理由の説明でこれまで町長提案議案の2度の否決、2度の補正予算修正があり、今議会でも2019年度一般会計当初予算案が減額修正されたことについて「町長が公約達成を優先するがため、住民や議会の意見を聞かず独断的に進めてきた結果であり、議会を軽視した結果でもある」と述べた。町職員から議員に、町長のパワーハラスメントなどの訴えが届いていることも明らかにした。その上で「議会と町長との溝は深まり、このような状態が続くことは町にとって好ましくない」とした。

 ■「1年3カ月やるべきことやった」 町長会見

 長嶋町長は、自身が行ってきた取り組みの内容や趣旨を説明し、「声なき声を聞く町政運営をしてきた。指摘された件は真摯(しんし)に受け止め、議員との話し合いをしっかりと行っていく」と弁明。稲葉氏は「われわれには不信任の権限があり、町長には(議会の)解散権がある。解散権を行使してもらい、判断を町民にゆだねてほしい」と訴えた。

 賛成討論で佐藤氏、伴氏が「長嶋町長には行政能力の不足がある」「今後の町を長嶋町長に任せていいのかと疑問がある」と発言。反対討論で渡辺氏は「議員と町長が真摯に向き合い、町民のことを考える努力義務がある。ここで齟齬(そご)があるからと不信任を出して、議論をやめるのはどうだろうか。町民に判断をゆだねるには機が熟していない」と述べた。

 選挙後の議会で、不信任案が再び提出され、可決されれば、長嶋町長は失職することになる。稲葉氏は閉会後の取材に「自分には不信任案提出者として、町長にふさわしい人を選定する責任がある。今後どうなるか分からないが、町長選を見据え立候補者を探していく」と話した。

 長嶋町長の進退については3月定例会初日の6日、深沢氏が「町民の意見を反映させるため、一度辞任し、町民の審判を仰いでみては」と発言する場面があった。

 長嶋精一町長は不信任決議案の可決を受け議会後、報道陣に対し記者会見を開いた。辞職はせず、議会を解散する方針であることを明かし、「(就任から)1年3カ月、町のため、町民のためやるべきことはやってきた。辞職する必要は全くない」と語った。

 今後は「議員とのコミュニケーションを取りながら町政運営していく」とした。議案の修正など、議員からの申し出を聞き入れなかったという指摘について「当局の考えをしっかり提示し、前向きな議員の提案は取り入れたいと考えていた。しかしそういった意見はこれまでなかった」とした。

 町職員へのパワーハラスメントについて「全くない」と断言。「税金によって給料をもらっている職員に甘い考えで仕事は許されない」と職員に厳しい態度を取ってきた理由を説明し、「いじめや追い詰めるなどの行為は一切していない」と答えた。

 ■町長不信任 町民の声

 町長への不信任決議案が可決されたというニュースは、瞬く間に町内に広がった。70代の男性は「議会と町長の関係を見ていればいつかこうなると思っていた」と驚く様子もなく、語った。

 道の駅・花の三聖苑整備事業を例に「町長の語るビジョンと議会の思い描く姿がずっと違っていた。もっと早い段階で話し合い、検討すればここまでこじれなかったはず」と話した。さらに「確かに町長の姿勢、態度、評判に良くない部分はあった。だが、一概に町長だけが悪いと考えるのでは何も変わらないだろう」とも話した。

 パート従業員の高柳文子さん(69)は「まだ1年3カ月。判断できない部分も多い。早過ぎる」という。「議会と町長の間を取り持つ副町長が必要だったと思う」と話し、「これから春の観光シーズンを控える中でこんなことになってしまうとは」と残念そうに語った。

 【写説】起立によって不信任決議案に賛成する議員たち=松崎町役場

 【写説】記者の質問に応じる長嶋町長=松崎町環境改善センター

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