珍渦虫、世界6種目発見 中野准教授グループ発表―下田

下田版 2017年12月19日

動物の進化過程の解明が期待される「珍渦虫」の研究を続ける中野准教授=筑波大学下田臨海実験センター
動物の進化過程の解明が期待される「珍渦虫」の研究を続ける中野准教授=筑波大学下田臨海実験センター
東北沖で採取された珍渦虫。体長は5センチほど
東北沖で採取された珍渦虫。体長は5センチほど

 ■筑波大下田臨海実験センター 日本近海で初、動物の起源、進化解明へ

 下田市五丁目の筑波大学下田臨海実験センターの中野裕昭准教授(40)をリーダーとする筑波大、国立遺伝学研究所、北大、東大などの研究グループは18日、日本近海で珍渦虫(ちんうずむし)の新種と、その新たな器官を発見したと発表した。日本近海での採取は初めて、世界では6種目の発見。珍渦虫は動物の起源や進化過程を探る糸口の動物として注目されている。

 珍渦虫は脳、肛門、体腔などの器官がない単純な体の海生動物。体長は小さな種類で1~3センチ、大きな種類で20センチ前後ある。

 その単純な構造は、多くの動物の共通祖先の特徴を残している可能性があると考えられているが、これまでに全世界で5種しか報告されていない上、深い海底に生息するなど採取が難しく、研究が進んでいないのが現状。卵からどのような幼生を経て成体になるのか、個体発生の過程も完全には分かっていない。

 中野准教授は、進化の過程を探る動物として珍渦虫に興味を抱き2004年、当時唯一の生息地だったスウェーデンに渡り研究を始めた。帰国後、日本の研究者仲間とネットワークをつくり、日本近海での生息調査を開始。2013年7月に東北沖の水深517~560メートル地点で1個体(体長1センチ程度)、15年12月に三浦半島沖の水深380~554メートル地点で1個体(体長5センチ程度)が採取された。

 2個体のDNAを解析した結果、同種で海外の5種とは別種であることが分かった。日本で見つかった珍渦虫を「ツェノターベラ・ジャポニカ」と命名した。

 さらに2個体をマイクロCTスキャンで調べたところ、前端に小さな孔が開いており、そこから後方へ続く構造が存在することを発見した。

 研究グループは今後、日本近海の珍渦虫の生息状況を明らかにし、研究対象として扱いやすい珍渦虫の集団を探索していく予定。

 中野准教授は「伊豆近海でも生息する可能性が高い。安定的に採取できる場所を探し、実験室での飼育を可能とし、動物全体の共通祖先や人を含むさまざまな動物の進化過程の解明を目指したい」と話している。

 【写説】動物の進化過程の解明が期待される「珍渦虫」の研究を続ける中野准教授=筑波大学下田臨海実験センター

 【写説】東北沖で採取された珍渦虫。体長は5センチほど

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