温泉熱利用し塩作り 南伊豆下賀茂の渡辺三彦さん、守男さん

下田版 2017年12月03日

温泉のプールに浮かべたおけで塩を作る三彦さん(左)と守男さん=南伊豆町下賀茂の福田屋旅館跡地
温泉のプールに浮かべたおけで塩を作る三彦さん(左)と守男さん=南伊豆町下賀茂の福田屋旅館跡地

 ■戦中、戦後の製法復活 配合比を試行錯誤 「まろやかな味」

 南伊豆町下賀茂の渡辺三彦さん(79)と渡辺守男さん(79)は6年ほど前から、温泉熱を利用して塩を作っている。4キロほど内陸の下賀茂温泉(下賀茂・加納)の100度近い源泉を生かし戦中から戦後に盛んに行われた製法を、現代に復活させた。海水や温泉水を入れたおけを、熱い温泉プールに浮かべ乾燥させる。道の駅などで販売し、固定ファンも多い人気商品となっている。

 2人はいとこで、戦前に下賀茂で営業した福田屋旅館の子孫だ。酒の席で思い出を語ったのがきっかけで、守男さんは「子どもの頃、海水を積んだリヤカーを押した」と記憶をたどる。2人は旅館跡地に約3メートル×1・5メートルのプールを設け、石廊崎の海水と温泉水を混ぜ塩を作っている。三彦さんは「配合比は試行錯誤した。まろやかな味」と出来栄えを話す。

 製塩は物資不足を背景に戦中から行われ、戦後は4、5社が加納に工場を構えた。中でも最大規模の桜井製塩で1946~59年に働いた鈴木二二夫さん(90)=上賀茂=は「畳大の鉄皿が50~60枚浮かぶプールがあった。昼夜2交代で1日1トン製造した」と当時の様子を話す。

 最盛期は小稲から加納へ鉄パイプが敷かれ海水を送った。弥陀(みだ)山へくみ上げ、青野川をさかのぼり加畑賀茂神社の裏山へいったん上げ、加納へ送水したという。

 南伊豆の製塩業は、外国産の流入や塩業整備臨時措置法(59年)により60年前後には姿を消した。プールの遺構は銀の湯会館近くに今も残る。

 三彦さん・守男さんの塩は道の駅・下賀茂温泉湯の花農林水産物直売所と、奥石廊のジオパーク・ビジターセンターで販売する。センター店員は「売れ筋商品で遠方からまとめ買いに来る人もいる」と話す。

 【写説】温泉のプールに浮かべたおけで塩を作る三彦さん(左)と守男さん=南伊豆町下賀茂の福田屋旅館跡地

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