町長解職、大差で成立、投票率68・81% 河津町住民投票     

下田版 2017年10月10日

開票後、会見する稲葉代表(中央)ら=河津町浜の「かわづビジネスホテル」(8日午後8時10分ごろ)
開票後、会見する稲葉代表(中央)ら=河津町浜の「かわづビジネスホテル」(8日午後8時10分ごろ)
投票結果確定後に記者会見に応じる相馬氏=河津町役場(8日午後8時半ごろ)
投票結果確定後に記者会見に応じる相馬氏=河津町役場(8日午後8時半ごろ)

 ■相馬氏、即日失職 県内3例目―11月に町長選へ

 河津町の複合施設整備計画を巡り相馬宏行町長(57)解職の是非を問う住民投票は8日、投開票された。解職賛成2816票、反対1524票で、1292票の大差をつけて賛成が有効投票の過半数を占め、リコールが成立した。投票率は68・81%で予想に反し伸びなかった。相馬町長は即日失職し、飯田起与副町長が職務代理者になった。50日以内に町長選が実施される。11月下旬が有力とみられる。

 リコールは、住民組織「あしたの河津をつくる3168」(稲葉誠次代表)が「多額の費用をかける複合施設ではなく、立ち止まって見直してほしい」と、有効署名2865人(有権者の44%=当時)の署名簿を添えて請求した。

 相馬氏は「複合施設整備は多くの町民から要望を受け、議会の議決を経て進めてきた」と主張していた。相馬氏は2010年4月の町長選で初当選し2期目だった。

 投票者の中には「解職までは望まないが仕方ない」と賛成する人も少なくなかったが、町の計画に対し「必要ない」「見直すべきだ」「もっと有効に税金を使ってほしい」との意見が圧倒的だった。

 当日有権者数は6384人(男3096人、女3288人)で、無効票は53票。期日前投票は3030人(有権者の47・5%)で好調だった。

 県内の首長のリコール成立は、1983(昭和58)年の富士宮市、2004年の川根町(当時)以来で、伊豆地区では初めて。議会では1997年の修善寺町(同)がある。

 ■「選挙には関与しない」 住民グループ

 解職請求した住民グループ「あしたの河津をつくる3168」は、約15人が河津駅前のビジネスホテルに集まり、開票結果を待った。結果が出ると、拍手が巻き起こり、稲葉誠次代表は「協力ありがとう。ようやく複合施設を止めることができる」と支援者に感謝し、町長選挙については「われわれの活動は、これで終わり。選挙には関与しない」と語った。

 ■「非常に残念町民にお礼」 相馬氏が会見

 解職決定後、相馬宏行氏は町役場で会見に応じた。「非常に残念な結果。2期7年半、支援してくれた町民にお礼申し上げたい」。得票差について「事業費が高額と思われたようだ」と言葉少なに話した。出直し町長選については「今はまだ考えていない」と明言を避けた。

 ■複合施設の概要

 複合施設は、笹原の南中跡地が予定地で鉄骨造り3階建て、延べ床面積約2670平方メートル。子育て支援や放課後児童クラブ施設、客席を収納できる最大約300人収容の文化ホール、屋上に約千人を収容できる災害一時避難場所を備える。建設費は16億7600万円。財源は積み立てた基金6億円と国県補助金3400万円、地方債7億8100万円と一般財源2億6100万円を充てる。今秋ごろ着工し2019年3月完成を目指したが、相馬町長は1年間先送りし「新年度当初予算への計上を考えたい」としていた。

 ■解説―複合施設計画めぐり町長の姿勢に反発、対話なく町政混乱拡大

 河津町の住民投票で有権者は、賛成と反対両派の運動関係者の予想を上回る差で町長解職の審判を下した。

 賛成投票者からは「町議会一般質問や住民説明会での町長の回答から、理解を求める姿勢が見られなかった」「17億円もかけて造る施設ではない」「文化ホールは必要ない」「町民の意見を聞いて一から見直すべきだ」との意見が聞かれた。

 ただ賛成票イコール解職という図式でもない。「町長を辞めさせたい訳ではないが、施設は見直してほしい」「施設に反対したいだけ」との声も少なくなかった。

 相馬氏は、住民投票告示前の9月議会町長行政報告で複合施設の建設費について「本年度内の予算計上を見送る」と表明した。「町民の間で対立する懸念の声もあり町の混乱を避けるため、また手続き上、本年度の事業執行は困難と判断した」と話した。6月議会から、解職請求や施設への理解不足を理由に見送っており、結果として1年間の先送りとなった。

 これに対し施設整備計画に反対する上村和正町議は「(町長が6月議会への予算計上を表明した)3月議会で先送りを決めてほしかった」と残念がった。さらに解職請求代表者の稲葉誠次代表は「署名活動に入った4月でも、表明してくれたなら運動はストップした」と明言した。

 住民投票は実施しなくても済んだはずだ。建設的な議論、対話がなかったことが、町を二分し町民同士の付き合いにも影響を及ぼす事態に至らせた。

 有権者は複合施設の見直しを選択したことになる。混乱を拡大することなく、町や住民の将来を第一に考え民意を反映することが求められる。

 【写説】開票後、会見する稲葉代表(中央)ら=河津町浜の「かわづビジネスホテル」(8日午後8時10分ごろ)

 【写説】投票結果確定後に記者会見に応じる相馬氏=河津町役場(8日午後8時半ごろ)

 【図説】河津町住民投票開票結果

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