森林計画研究発表 いしい林業、樹芸研が全国へ―南伊豆

下田版 2017年09月21日

ユーカリ材の机と椅子で全国発表の打ち合わせをする(手前左から)鴨田所長、石井社長(奥左から)村瀬さん、森さん=南伊豆町加納の東京大樹芸研
ユーカリ材の机と椅子で全国発表の打ち合わせをする(手前左から)鴨田所長、石井社長(奥左から)村瀬さん、森さん=南伊豆町加納の東京大樹芸研

 ■シカの食害強い ユーカリ植栽を提案

 ユーカリの研究に取り組む南伊豆町のいしい林業(毛倉野)と東京大樹芸研究所(加納)の合同チームが県大会を突破し、全国大会「第65回森林計画研究発表大会」に県代表として出場する。シカの食害に強いユーカリによる、獣害を前提とした伊豆ならではの林業経営を提案する。造林実験では他の樹種の大半が食害で枯れる毛倉野の山で、全苗木の2年8カ月後生存率85%を記録した。大会は来年2月に開かれる。

 樹芸研は30年前に成長の早いユーカリに注目し、現在までに、原産国の800種から日本の風土にあった約10種を選抜した。2014年にいしい林業と協力し、毛倉野の民有地にサリグナという品種を213本植栽した。

 静岡市でこのほど開かれた県大会では、当初20センチ余りの苗がわずか2年8カ月間で平均樹高8・8メートル、平均胸高直径8・9センチに成長したと報告した。67%が食害を受けたが、被害苗の87%は生き残った。電柵や下草刈りの手間が少なく短いサイクルで低コストに木材を生産できるという。活用案として樹芸研が試作している家具材や精油のほか、バイオマス発電を例示した。

 大会発表者はいしい林業営業企画部長の森広志さん(38)と樹芸研技術専門職員の村瀬一隆さん(48)の2人が務める。森さんは「獣害、持続可能性、木質バイオマスの三つのキーワードが県で評価された」、村瀬さんは「成果を全国に知ってほしい」と語る。

 いしい林業の石井静夫社長は「伊豆は今、獣害でとてもじゃないが林業はできない。直接収益に結びつかなくても、やらねばならない」、樹芸研の鴨田重裕所長は「人に驚かれる立派なユーカリ林をつくりたい。利用しないのはばからしいほどよく伸びる木だ」と研究の意義を述べた。

 県大会は各農林事務所や研究施設を中心に17組が発表し、2組が全国へ進んだ。全国大会は2月1日から、東京都文京区の東京大弥生講堂で開かれる。

 【写説】ユーカリ材の机と椅子で全国発表の打ち合わせをする(手前左から)鴨田所長、石井社長(奥左から)村瀬さん、森さん=南伊豆町加納の東京大樹芸研

各地の最新の写真
伊東
一日署長・岩崎アナ 「詐欺被害多発、注意を」―伊東署
下田
多彩な力作44点 河津で「友画」が作品展
中伊豆
災害支援協定を締結 駿東伊豆など3消防本部と東部生コン組合
熱海
獅子が「かみつき」 今宮神社例大祭、神楽や稚児舞を奉納―熱海

最新写真特集

伊豆のひろば投稿
伊豆パワースポットめぐり
伊豆新聞とイズハピが贈る伊豆の観光情報紙 伊豆のとっておきの春時間を満載(PDF)