3県議選振り返る 低い関心、得票に影響

伊豆日日版 2019年04月09日

自民公認の新人候補の出陣式で応援マイクを握った細野氏。選挙戦の結果に少なからず影響を与えた=3月29日、三島市内
自民公認の新人候補の出陣式で応援マイクを握った細野氏。選挙戦の結果に少なからず影響を与えた=3月29日、三島市内

 統一地方選前半戦の県議選は7日に投開票が行われ、新しい県議が決まった。伊豆の国市選挙区(定数1)、三島市選挙区(同2)は自民党の現職と元職、新人が3議席を確保し、函南町選挙区(同1)は無所属の現職=国民民主推薦=が議席を守った。激戦の選挙戦を振り返る。

 ■トップ独走、当落は接戦 細野氏の動き、しこりに―三島

 保守分裂選挙の中、現新元職の4人が2議席を争った三島市選挙区は、3期の豊富な経験と、党県連で3役を務めた実績を持つ自民公認の宮沢正美氏(69)が、組織力で着実に支持を広げ、他の3候補を引き離した。同じ自民公認で前市議の新人・伊丹雅治氏(42)は、現職の遠藤行洋氏(57)=国民民主公認=と終盤まで激しいデッドヒートを繰り広げ、341票の小差で逃げ切った。

 ただ自民が最終的に2議席を確保しながらも、共に公認を受けた元職宮沢、新人伊丹両氏の出馬の経緯をはじめ、今回選の結果は今後にしこりを残しそうだ。昨年12月の市長選や、細野豪志衆院議員の動きなども複雑に絡み合い、少なからず選挙戦に影響を与えた。小差で敗れた遠藤氏は「いろいろと市長選の後、複雑な動きになり、難しい選挙だった」と唇をかんだ。

 投票率は42・76%で、3人が出馬した前回選(45・13%)を下回り、市民の関心は終始高まりに欠ける印象だった。期日前投票の出口調査で、ある候補の名前だけを参考にして「女性(候補)だと思ったから、応援しようとした」と、若い女性が貴重な一票を投じた場面には驚かされた。

 市民の信託を受けた2氏には存分に県と市をつなぐ力を発揮してもらう一方、有権者の側も、地域の政治にさらに関心高く目を向ける姿勢が求められる。

 ■土屋氏、組織力で逃げ切る 天野氏、無党派取り込めず―伊豆の国

 自民の実質的な分裂選挙となった伊豆の国市選挙区は、自民現職の土屋源由氏(61)=長岡=が組織力を生かして逃げ切った。無所属新人の天野佐代里氏(61)=南条=は追い上げを見せたが一歩及ばなかった。

 土屋氏は昨年12月に党の公認を得た。告示前に7回の県政報告会、告示後は地区ごとに個人演説会を開き、2期6年の実績をアピール。相手候補はこれまで自民党員として活動しており、動向が分かりにくい中での選挙戦だったが、50以上の団体の推薦を得て支持を広げた。勝因について「報告会など地道にこまめにやってきたことが長く支援してくれている人たちに届いたのではないか」などと話した。

 天野氏は1月下旬に出馬表明、3月10日に後援会事務所開きと出遅れが響いた。告示前日まで市議会議長の職を務めたため、イベントなどに顔を出すことができた一方、十分な準備ができなかった。投票率が伸びず、無党派層を取り込めなかったことも影響した。

 本紙が期日前投票前半に行った出口調査では、伊豆長岡地区で地元の土屋氏がリードを広げていたが、同地区の投票率が全市平均より低かったことも、601票差という接戦の一因となった。

 ■現職安定、新人浸透せず 過去最低の投票率40.76%―函南

 現職と新人2人が1議席を争った函南町選挙区は、地元出身の強みを生かし無所属の現職広田直美氏(48)=塚本=が他の2人を突き放し、2期目の当選を果たした。自民公認の新人・赤池克斗氏(32)=仁田=、無所属新人の日吉智氏(46)=塚本=は追い上げたが、及ばなかった。

 連合静岡の推薦を受けた広田氏は町議7年、県議1年の経験をアピールし「一番函南のことをよく知っている」「対話を大切にしながら、さらに道のりを前に進める」と強調。「街頭演説100連発」を掲げた選挙戦を展開し、地元区や同窓生らのつながりを軸に党派を超えて浸透。女性票も広く取りまとめた。

 陣営は勝因について「こまめに地域を回り、有権者に会う機会をできるだけ増やすことに極力こだわった。感触も良く、そうした点を評価してもらったのでは」と振り返った。

 一方「自民党不在の打破」を掲げ、党公認で出馬した赤池氏は、後援会長の芹沢伸行元町長らが全面バックアップ。永田町(国政)経験を持つ元衆院議員公設秘書の赤池氏に「初めて自民党函南町支部が一枚岩となった」と勢いづいたが、結果的に十分まとまった支援になりきらず、陣営は「地元出身でないハンディもあり、知名度の面でも浸透しきれなかった」と悔やんだ。

 前町議の日吉氏は、無党派層と若い子育て世代の投票率向上を狙った選挙戦を一貫して展開。全町的な草の根運動を徹底したが、思うような票にはつながらなかった。

 投票率は40・76%で、過去最低となった前回選(44・20%)をさらに下回り、関心の低さが際立った。

 【写説】自民公認の新人候補の出陣式で応援マイクを握った細野氏。選挙戦の結果に少なからず影響を与えた=3月29日、三島市内

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