創業大正11年−三島由紀夫が愛した懐かしの味マドレーヌ <日新堂菓子店>【下田市】

2015年03月13日

日新堂菓子店
日新堂菓子店

 東京で修業した横山弁蔵が1922(大正11)年、古里の下田で「平和煎餅(せんべい)・日新堂」を創業し、今年93年目を迎える日新堂菓子店。

 家族3代にわたって親しんでくれる客も多く、時を超えて人気のマドレーヌは、牛乳を使用せず、日本人の口に合うようにと分量など研究を重ね、使うのは上質な原料のみ(卵、小麦粉、マーガリン、アーモンド、はちみつ、など)。大量生産はできないけれど、家族だけで大切に手しぼりで取り組み、1961(昭和36)年の発売以来、作り方もパッケージも守り続けている。本場フランス人も絶賛し、エアフランスの機内誌「三島特集」でもマドレーヌが紹介された。

 同時期に誕生したレモンケーキも、マドレーヌに並ぶ人気だ。天然レモンを絞ってレモンチョコレートを作り、焼き上げたパウンドケーキにコーティングし、そのなんとも言えない素朴で優しい味は、マドレーヌ同様50年以上変わらない。

 歌手・桑田佳祐さんの愛読書でもある、日新堂・横山郁代さんの著書「三島由紀夫の来た夏」は、作家・三島由紀夫が伊豆下田で見せたユーモアたっぷりのエピソードや、贔屓(ひいき)にしていた料理店、海水浴場などの地図や写真を織り交ぜ、三島と店先で交わした会話など、日新堂との交流が鮮明に書き記されている。

 三島は、1964(昭和39)年の夏から1970(同45)年まで毎年、下田を訪れた。下田東急ホテルを常宿とし、下田を題材にした短編「月澹荘綺譚(げったんそうきたん)」や、遺作となった「豊饒(ほうじょう)の海」、「天人五衰(てんにんのごすい)」などの名作を完成させている。

 毎年8月に行われる笛や三味線、太鼓を打ち鳴らしながら一日中練り歩く「下田太鼓祭り」と下田の海を好み、エメラルドグリーンに輝く外浦海水浴場や、ホテル目の前の鍋田浜海水浴場に、家族や友人たちと姿を見せた。日新堂には、週に一度は来店し「日本一のマドレーヌですよ」と、他の客にも声をかけて熱心に薦めるほどのお気に入り。夏祭りの前には必ずマドレーヌ20個、プディング20個を買い、天秤(てんびん)棒のように両手で持ち帰っていったという。

 下田の夏の太陽と、太鼓祭りを愛した三島との大切な思い出。笑顔と心優しい人柄が、今でも創業者家族の心に刻まれている。(T)

−日新堂の歩み−

昭和24年4月、貞明皇后が下田で御休憩の際、お茶菓子の御用命を承る。

昭和29年11月、昭和天皇下田御巡幸の際、お茶菓子の御用命を承る。

昭和46年、昭和天皇滞在中、須崎御用邸に銘菓「下田節」を献上。

昭和47年、第19回全国菓子博覧会で「下田節」有功大賞受賞。

昭和60年、下田市地場産品コンクールで「下田節」金賞受賞。

◆静岡県下田市3−3−7

◆電話番号/0558−22−2263

◆営業時間/午前9時半~午後6時半

◆定休日/無休 ※元日のみ休み

◆提携駐車場あり(中央商店街駐車場・大横町パーキング)

※2000円以上で駐車券進呈

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