文豪・谷崎潤一郎、ロバート・キャパも訪れた老舗フランス洋菓子店 <MONT BLANC(モンブラン)>【熱海市】

2015年02月16日

モンブラン
モンブラン

 欧州アルプス山脈の最高峰モンブラン。「白い婦人」という異名をもつ山から名を取り「仏蘭西洋菓子MONT BLANC」と名付けられたその店には、看板商品の「モンブラン」「モカロール」「ショソン(アップルパイ)」などが、所狭しと並べられている。

 その山に似せた「モンブラン」は、一般的な栗のモンブランではなく、ラム酒とキリッシュの特製シロップを染み込ませたサバラン生地に、山頂の雪をイメージした真っ白な生クリームをあしらい、甘さ控えめの大人の味。「モカロール」は濃いコーヒー味のバタークリームを使用し、両サイドから巻くという独特なもの。何度も折りあげたパイのサクッとした食感と、紅玉リンゴの酸味が自慢の「ショソン」も人気の商品だ。

 戦前、初代パティシエの新田道雄さんは、横浜のホテル「ニューグランド」で、当時の総料理長スイス人サリー・ワイル氏の元でフランス菓子技術を学んだ。

 戦後、1947(昭和22)年、生まれ故郷の熱海にフランス料理店「MONT BLANC」をオープン。54(同29)年4月には、報道写真家ロバート・キャパが和服姿の女性と同店を訪れ、ビール、特製チーズトーストを食べ、コーヒーをたくさん飲んでいったそう。その時キャパが撮影した写真は、大切に店内に飾られている。

 55(同30)年、新田さんが特別な興味を持ち、独自に探求していた洋菓子の専門店となり、2002(平成14)年に改装し現在に至っている。

 食通としても知られた文豪・谷崎潤一郎の熱海の別荘で、料理を作ることも度々あったといい「明日は何を食べようか」と谷崎氏の舌もうならせていたほど。店にも訪れ、孫とモカロールをおいしそうに食べては喜んでいたそう。

 店内はどこか懐かしい雰囲気があり、銀紙に包まれたケーキ一つ一つに、心を込めた温かさが伝わってくる。

 洋服や帽子、手袋など身につけるものにもこだわり、温厚で真面目な人柄だった新田さんは、91年の生涯を終える間際までケーキ作りに心を傾けた。その志を受け継ぎ、洋菓子店オープンから丸60年。洋菓子へのこだわり、おもてなしの心は、今も変わらず守り続けられている。(T)

◆静岡県熱海市銀座町4−8

◆電話番号/0557−81−4070

◆営業時間/午前10時~午後6時(土日:午後7時まで)

◆定休日/水曜日

◆イートイン可能/7席

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