漆喰鏝絵の名工「伊豆の長八」作品展示。八方にらみの竜、飛天の像、天井絵、彫刻も<長八記念館>【松崎町】

2014年09月02日

長八記念館(浄感寺内)
長八記念館(浄感寺内)

 漆喰(しっくい)と鏝(こて)で、絵を描き、あるいは彫塑(ちょうそ)して彩色するという独自の方法を編み出した「左官の名工」伊豆の長八(本名・入江長八)。1815(文化12)年、伊豆国松崎村(現・松崎町)の貧しい農家に生まれた長八は、3歳から浄土真宗・浄感寺で学び育てられ、12歳の時、左官の親方・関仁助に弟子入り。23歳で江戸に出た長八は狩野派の喜多武清に絵を学んだ。

 長八が31歳の時、浄感寺再建にあたり、江戸より2人の弟子を連れて、松崎へ。育ててもらった恩に感謝をこめて、漆喰細工、天井絵、彫刻などの多くの作品を残したと言われている。

 御内陣(ごないじん)天井にある「八方にらみの竜」(2011年に静岡県有形文化財に指定)は、宝珠を持つ白竜が描かれている。白竜は幸運をもたらすと言われ、雨雲を呼ぶとされる竜で火災除けの意を含めた長八の名作。見る角度により、竜の表情が変わるので、ぜひ四方から見てほしい作品。狩野派の勢いのある筆法で、とても迫力がある。また、三方には彩雲、一方には雨雲を配している。以来、浄感寺は、災いを除き、幸運を呼ぶと多くの参拝者が訪れているそう。 ※御内陣とは、神社、寺の内部で神体または本尊を安置する最も奥の部分のこと。

 同じく静岡県有形文化財に指定されている左右の欄間にある一対の飛天の像。細やかな細工、柔らかに描かれた羽衣、立体的な天女の姿は、思わず見ほれてしまう美しさ。

 また、御拝柱、梁には江戸時代彫刻の名人・石田半兵衛邦秀の透かし彫りがある。彫った図柄が表、裏で違うので注意して見てほしい。

 入江長八の作品の多くは、江戸の火災や、震災、戦火などで消失してしまったと聞いた。その貴重な作品が残る長八記念館。珍しい長八作の彫刻・獅子頭もある。江戸時代にタイムスリップしたかのような気持ちになる場所。(M)

◆施設名/長八記念館(浄感寺内)

◆開館時間/午前9時~午後4時(受け付けは3時半)

◆休館日/不定休

◆入館料/500円

◆住所/松崎町松崎234−1

◆TEL/0558−42−0481

◆駐車場あり

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