麻で結ぶ、心を結ぶ <麻製品作家 麻太朗>【南伊豆町】

2014年02月14日

「いときちは地域の交流の場」と語る麻太朗さん
「いときちは地域の交流の場」と語る麻太朗さん

 南伊豆町下賀茂温泉で「大衆処 いときち」を営む麻太朗(あさたろう)さん。東京・上野生まれの38歳。住みこみのアルバイトをしているうちに、南伊豆の自然のとりこになり、5年前に神奈川県茅ケ崎市から移住してきたという。

 「茅ケ崎も海があって、山もあって、良いところでした。でも、ここはもっと自然に近いというか、海も山も密着している気がするんです。南伊豆では、米も作るし、漁業もある。食糧自給率の高さが魅力です。都会人のあこがれですね」。

 麻太朗さんのコンセプトは「麻」。麻というと、大麻草(たいまそう)を思い浮かべ、大麻=麻薬といった悪いイメージがつきもの。しかし、麻は成長が早い1年草(アサ科アサ属)で、生育過程で大量の二酸化炭素を消費することや、繊維質からプラスチックなどが作れるなど、各国で「バイオマス原料植物」として注目されている植物なのである。

 日本でも第2次世界大戦の終戦前までは、主食のコメと同様に盛んに栽培されていた。現在では、厳重な管理の元、一部の地域で作られているだけだという。

 「あかちゃんの産着って“麻”でできていますよね。人間の身体にとってやさしいからこそ、赤ちゃんの産着に使うわけで。伊勢神宮の神札も“大麻”といいます。麻は土に植えれば、土壌も改良されるし、とても地球にやさしい植物。良質なタンパク質やミネラルなどを含む種は、健康食品として人気です。でも、このまま日本で栽培されなくなると、麻糸だけでなく、麻の文化自体が廃れていってしまう」と、心配気に語る麻太朗さん。

 上野のアメ横で手作りアクセサリーを作って10年。自分の店も持ったという。いろいろな糸で試したが、たどり着いたのは“麻糸”。麻太朗さんがマクラメ編みで作るアクセサリーは評判となり、雄鶏社から「麻で結ぶヘンプアクセサリー(麻太朗監修)」を2003年に出版。

 月1回、東京で開くワークショップは南伊豆へ移住してからも続けている。「女性は、自分好みのアクセサリーが作りたくて通う人が多いかな?男性は本当に熱心に通って、自分の教室を開いた生徒さんもいます」

 麻太朗さんの店「大衆処 いときち」は、2012年8月オープン。手作りアクセサリーをはじめ、写真、ポストカード、洋服、ロウソクなどが並ぶ。目を引くのが、古本。子どもから大人まで楽しめるオールジャンルの本が所狭しと置いてある。「一応、ギャラリーってなってますけど、無料の休憩所ですね。誰でも入れる。待ち合わせ場所に使ってもいいし、子どもたちも来ますよ。みんなが集う場所をつくりたかったんです。地域のお母さん同士で集まっておしゃべりしたり。ここのお母さんたちは、みんな働き者なんですよ」

 “いときちエネルギーワークショップ”では、簡単にできるロケットストーブ作りを教えている。間伐材が豊富にある南伊豆地区では木材を燃料にすることで、かなり燃料代の節約になるという。災害を恐れるだけでなく、自分たちのできることを少しでも増やしていこう・・・そんな考えから始まった“いときちエネルギーワークショップ”。

 「ロケットストーブを使うようになって、月に2000円~3000円の節約になりました。火のエネルギーだけでなく、風力、水力のエネルギーワークショップもできたらいいなと思います」と、麻太朗さんは語る。

 他に、みそや栄養について学ぶ“手前みそづくり”や、自分でできる予防医学“快医学”、ゴミを微生物に食べてもらうように分解する洗剤について学ぶ“せんざい学校”など、楽しくて、為になるワークショップを企画している。

 「地元の人が気づいてない南伊豆の良さ。移住してきたからこそ見えるこの土地の良さがあります」

 南伊豆の自然にひかれて移住した麻太朗さんも、今は「南伊豆の街が好き。温かい南伊豆の人が好き。いろんなことを教えてもらいました」

 移住者に人気の南伊豆地区。人と人のネットワークが大きな魅力になっているようだ。(M)

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