『花火師』 花火ができるまで物語

2018年04月20日

ドラムに入った大量の「星」を移す喜弘さん

2枚目/6枚中

ドラムに入った大量の「星」を移す喜弘さん

日本の夏の風物詩・花火。
伊豆半島でも各地で花火大会が開かれ、浴衣姿のカップルや親子連れの目を大輪咲く夜空へくぎ付けにする。
一瞬の美しさの後に消えるはかなさが、桜と並んで日本人の心を映しているとされる花火が、どのようにしてできているのか。静岡市の花火製造・静玉屋を訪ねた。


静玉屋は大正末期から続く老舗。伊豆半島最大の花火大会・按針祭(伊東市)にも玉を卸す。迎えてくれたのは代表の田畑喜一郎さん(69)。祖父の故喜烈(よしやす)さんから引き継ぎ、50年にわたり手掛けている。

花火玉の中は火薬と、炎色反応により色を演出する「星」と呼ばれる直径2センチほどの小さな玉が詰められている。空中で火薬を爆発させ、星をまき散らす仕組み。詰め方により花火の形が変わる。「最近は変わったのが求められる。ミカンやキノコの形をした花火なんかも作っている」と喜一郎さんは解説する。①星の製造②玉への敷き詰め③玉の周りへの紙張り―という手順を踏む。

工場では喜一郎さんの息子・喜弘さん(38)が、ドラムの中に入った大量の星を相手に作業していた。星は数ミリの〝芯〟(泥など土へ帰るもの)を回転するドラムに入れ、液状のりと炎色反応を示す粉状の薬剤を少しずつかけて作り上げる。「3週間ほどかけ、〝雪だるま式〟に大きくする」と喜弘さん。「伝統の方法。短時間で仕上げるよりもきれいになる」とこだわりをのぞかせる。玉への敷き詰めや紙張りも全て手作業。現場を見ると、職人たちが慣れた手つきで素早く、丁寧に玉を完成させていた。

訪ねたのは5月中旬の繁忙期。作業所内には打ち上げを待つ花火玉がゴロゴロしていた。静玉屋で作っているのは年およそ3万発分。按針祭は喜烈さんのころから花火を出しているという。 「按針祭は印象のある大会。形の変わったのも上がるので、その辺を見てもらえるとうれしい」と喜一郎さん。この道一筋の職人が見せる照れくさそうな笑顔が印象的だった。

協力/静玉屋 文・写真/伊豆日日新聞記者・勝間田 翔 <2017年取材>

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