太宰治も絶賛した十国峠から見る富士山!桁違いのスケールの360度大パノラマ♪<十国峠>【函南町】

2014年12月12日

十国峠から見た富士山

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十国峠から見た富士山

  太宰治の短編小説「富嶽百景」の一部分に「十国峠から見た富士だけは、高かった。あれはよかった。はじめ、雲のために、いただきが見えず、私は、その裾の勾配から判断して、たぶん、あそこあたりが、いただきであらうと、雲の一点にしるしをつけて、そのうちに、雲が切れて、見るとちがった。私が、あらかじめ印(しるし)をつけて置いたところより、その倍も高いところに、青い頂きがすっと見えた。おどろいた、といふよりも私は、へんにくすぐったく、げらげら笑った。やってゐやがる、と思った」とある。「十国峠に一緒にハイキングに行かないか?」と友人に手紙を書いたという話も残っているほど、太宰治は十国峠から見る富士山を気に入っていたという。

 熱海をこよなく愛したといわれる高山樗牛(ちょぎゅう)も「わがそでの記」の中で「十国峠に登る遊びはことのほか壮快で、北は足柄、南は大島、東は江の島、西は田子の浦まで壮大な眺め」と書いており、他にもいくつかの文学作品に十国峠は登場する。

 十国峠という名の由来は、その昔、伊豆、駿河、相模、遠江(とおとうみ)、甲斐、信濃、武蔵、下総(しもうさ)、上総(かずさ)、安房(あわ)の十の国、現在でいうと、静岡、神奈川、山梨、長野、東京、埼玉、千葉の7県が眺められたことならなる。山頂にある古いいしぶみの十国碑には「十国五島を見渡すことができる」と記されており、五島とは、伊豆大島、新島、神津島、三宅島、利島のことである。

 葛飾北斎などの画家や、文人、歌人など多くの著名人が訪れた十国峠。「いったい、どんな素晴らしい景色が見られるのだろう」と期待に胸を膨らませ、登り口駅から、ケーブルカーに乗り、標高770mの山頂へ向かった。1956(昭和31)年開業のケーブルカーは、車両もレトロのままでとても味わい深い。つるべ式(交走式)と言われる仕組みで、井戸のつるべのように、1本のロープで両端の車両を上下に動かしており、真ん中部分で上りと下りの車両がすれ違う。

 レールの幅は、通常のケーブルカーが1067ミリであるのに対し、新幹線と同じ幅の1435ミリを使用しており、とても珍しいそう。※全国で2カ所のみ

 山頂駅に降り立つと、まず目に飛び込んでくるのが、世界文化遺産に登録された「富士山」。頂きの白い雪が、とてもすがすがしく、おもわず両腕を広げ、深呼吸した。そのスケールの大きさと、優雅な美しい姿は、いつまで見ていても、見飽きることはない。

 富士山パワーをしっかり体に充電してから、駿河湾方向へ目をやると、愛鷹山、南アルプス、天城連山、伊豆大島、三浦半島、江の島、房総半島、東京方面、箱根駒ヶ岳と、見事な360度の大パノラマ。条件があえば、東京スカイツリーも見ることができる。腰に手を当てて、天下取りを達成した戦国武将気分に浸るのも一興か。

 春には水仙やツツジ、初夏にはアジサイなどが咲き誇り、花と富士山とのベストショットを撮ろうと、多くの写真愛好家が訪れるという。夏の涼風、秋のススキと季節によって楽しみ方も色々。広い芝生広場や、小型犬専用のドッグランはペット連れの人に大好評。麓のレストハウスはお土産コーナーや食事処が充実している。

 昔から、熱海と箱根の交通の要所だった十国峠。山頂にある「お願い地蔵」は、旅の安全と交通災害ゼロを祈願して設置されたと聞いた。優しい笑みを浮かべたこの地蔵は、これからも私たちを見守り続けてくれるに違いない。(M)

◆施設名:十国峠ケーブルカー

◆ケーブルカー営業時間:午前8時50分~午後4時50分

◆ケーブルカー料金(往復):大人(中学生以上)720円、小学生360円 ※片道料金 大人(中学生以上)360円、小学生180円

◆お土産市場営業時間:午前8時半~午後5時

◆住所:函南町桑原1400−20

◆電話:0557−81−6895

◆年中無休

◆駐車場無料

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