伊豆de子育て・親育て・7

2019年04月04日

子育て真っ最中の時期、子どもたちと出掛けた小室山で。白飯と塩を持参、お昼にはその場でおにぎりを作りたっぷり遊んだ
子育て真っ最中の時期、子どもたちと出掛けた小室山で。白飯と塩を持参、お昼にはその場でおにぎりを作りたっぷり遊んだ
読み聞かせをする斎藤さん=伊東市音無町
読み聞かせをする斎藤さん=伊東市音無町
魚を探したり、水遊びを楽しむ家族連れでにぎわう
魚を探したり、水遊びを楽しむ家族連れでにぎわう
飛び石付近の川。大雨後の増水時は注意が必要
飛び石付近の川。大雨後の増水時は注意が必要
3人の子を育てる親でもある水谷夫妻。敷地内には2階建て家屋、平屋家屋、畑がある
3人の子を育てる親でもある水谷夫妻。敷地内には2階建て家屋、平屋家屋、畑がある
 【いわいとしおさん・いずのペンギンさんちだより】
 【いわいとしおさん・いずのペンギンさんちだより】

 【私の子育て奮闘記】食費削っても買った絵本 反抗期夫婦でうつ気味に

 ■斎藤克子(よしこ)さん(60代) 市社会教育指導員 伊東市川奈 夫(60代)/長男(30代)/長女(20代)

 伊東図書館を入ってすぐ右側は、児童書の企画展コーナーとなっている。展示デザインや作家とのやりとりなど、企画の一切を担うのが斎藤克子さんだ。絵本のスペシャリストとして活動しているが「実はちゃんと宮沢賢治を読んだのは40歳過ぎてから」と明かす。出産を機に絵本に目覚めるのだが、これが命がけの出産だった。

 「子どもを異物ととらえて体外へ出そうとする体質」だという斎藤さんは、幼少期から家業を手伝い力仕事もこなしてきた。しかし妊娠した途端、体に異変が起こり、妊娠確定後は即入院に。出産時は大量の出血を伴い、産後も寝たきりだった。

 寝たきりでも絵本は読める。長男が2カ月のころから、毎日読み聞かせた。夫が買ったミッフィーちゃんの絵本から始まった。

 長男が1歳の時、初めて自分で絵本を選んだ。ベストセラーでもないその絵本に、長男は大受けだった。絵本選びに自信をもった斎藤さんは、以来1カ月に1冊、新しい本を買った。「本当は食費にしたかったけどね」。当時は出産費用にも困る生活だった。「でもね、逆手にとって楽しんじゃってた」

 5月になると、電気代節約のために星を見た。夕飯後、家中の電気を消して皆で外へ出る。「流れ星!」「どこどこ」と話しながら夜空を1時間ほど見て、真っ暗な家へ。「こわい、こわい」とふざける子どもたちと電気を点けずに入浴し、大騒ぎしながら着替え、布団に入った。暗がりの中、語り、耳をすます。「何が聞こえる?」「電車の音」。「虫の声」。そんなふうに幾夜も過ごした。

 子育てで心掛けたのはお手伝いだ。4歳から靴は自分で洗わせた。読み聞かせは、365日、6年生まで続けた。どちらも情緒や想像力に良い影響を与えたと信じている。

     ◇……………………◇

 長男が中学3年生のとき、猛烈な反抗期が訪れた。親に「てめえ」と言う息子。「来るべきものが来た」とも思えたが、口をきかず、ドアを壊し、「親のために勉強してんじゃない」と進学を拒否する姿はやはりこたえ、夫婦でうつ気味になった。

 斎藤さんは1カ月ほど考えに考えて心を整理し「あなたの心は乱れている。それでは高校に行っても苦労する。行かなくていい」と本心を息子に告げた。

 その日を境に長男は変わった。大学院まで進学し、今は好きなことを仕事にしている。

 大学に通う長男から電話がかかってきたことがあった。「『今日流星群が流れるから一緒に見ようよ』ってね」。この時の感激は今でも忘れられない。

 今、斎藤さんは読み聞かせや作家との交流で市内外を飛び回る日々を送る。ふたりが成人したあとも書庫の絵本は増える一方だ。

 【写説】子育て真っ最中の時期、子どもたちと出掛けた小室山で。白飯と塩を持参、お昼にはその場でおにぎりを作りたっぷり遊んだ

 【写説】読み聞かせをする斎藤さん=伊東市音無町

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 【いわいとしおさん・いずのペンギンさんちだより】

 【ここ!いいよ!】松川湖(伊東市)

 奥野ダム建設でできた松川湖は、散策や水遊びが楽しめる自然豊かな場所だ。湖畔を一周する4・8キロの散策路が整備され、駐車場・トイレは各4カ所設置されている。

 子連れに人気なのは「展望広場」と、「展望広場」と「梅の広場」とを結ぶ飛び石周辺での川遊びだ。

 展望広場を流れる小川では小さな子も安全に水遊びがしやすい。飛び石周辺の川は夏が近づくにつれ、ヨシノボリやオイカワなどの魚を追う子どもや、浮輪に乗り天然の“流れるプール”を楽しむ家族連れでにぎわう。どちらも約30台収容の駐車場から近い。

    ★ ★ ★

 ほかに春はオタマジャクシがにぎやかな「水遊び広場」、上流に近い白川橋周辺での川遊びも楽しめる。問い合わせは伊東市振興公社〈電0557(37)7135〉へ。

 【写説】魚を探したり、水遊びを楽しむ家族連れでにぎわう

 【写説】飛び石付近の川。大雨後の増水時は注意が必要

 【これ!知ってる?】それぞれが選び学ぶ 伊豆サドベリースクール(伊豆の国市)

 伊豆の国市長岡に、伊豆で初めてのサドベリースクールができた。教員免許を持つ水谷悠介さん(31)と元保育士のその子さん(36)夫婦が今月1日に開校した。

 1968年にアメリカで初めて開校されたサドベリースクールは、既存の学校のように先生や時間割や教科書はなく、何をやるかを生徒一人一人が決める。生徒とスタッフが1人1票を持ち運営に関わり、スタッフ選びや生徒の入校可否、予算ほか全てのことを会議や投票で決める。世界中に広がりつつあり、日本では東京、神奈川をはじめ全国に10校以上ある。

 スクールでの過ごし方はパソコン、音楽、料理、農業、遊び、勉強など自由。「人は本当にやりたいと思ったときに一番よく学ぶ」という生徒への信頼感が土台にある。生徒は、自由を得る際に生じる責任も負い、複数人が集まることで社会性も要求される。

 学校教育法に定められた学校ではないので、通う際は既存の学校に籍を置く必要がある。開校は月~木曜日、午前10時~午後4時。現時点での入校可能年齢は3歳(幼稚園年少の学年)~18歳。見学は随時受ける。ホームページは(http://izu−sudbury.com)詳細は水谷さん〈携帯080(5455)5829〉へ。

 【写説】3人の子を育てる親でもある水谷夫妻。敷地内には2階建て家屋、平屋家屋、畑がある

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