梅まつり将棋大会観戦記 第1譜C級(下)

2019年02月24日

1図(■5五歩まで)2図(□2三銀打まで)
1図(■5五歩まで)2図(□2三銀打まで)

 ■菊地菜津子(熱海) □新妻明(静岡) 観戦記/石田豪成

 ・数学の エキスパート

 ある時、淡島さんに「2次方程式の解を覚えていますか」と、唐突に聞かれたことがあった。「学校に置いてきたよ」と答えたが、実のところ、1945(昭和20)年の終戦の混乱期に小学6年だった私は、ろくに学校に行っていなかった。追伸すれば淡島さんは数学のエキスパートである。

 ・序盤の一歩損!!

 伊東対熱海の対戦は、須藤賢さんと淡島裕さんである。第1図は先手須藤さんが■5五歩と突きだした所である。後手淡島さんは機敏だった。すかさず□4四銀と出て5五の歩を取りに行く。先手は■5六銀と守ったが□5五銀■同銀□同角と進んで先手は序盤で一歩損となってしまった。序盤での一歩損は大きい。以後の駒組に重大な制約を受けるからだ。後手は5筋の歩を5六の地点にまで進めて、陣地戦に絶対必要な橋頭堡(ほ)を確保した。以下、淡島さんはじっくりと微差を積み重ねて押さえ込んだ。そして迎えたのが第2図である。淡島さんの□2三銀打を見て、一礼の後に須藤さんは投了した。須藤さんにとっては、実力を発揮できない不本意な一戦となってしまったが、投了の姿には勝負の美学を備えた風格があった。

 ・将棋の繁殖力

 将棋ブームは続いている。フィーバーとも言う。冷めるどころか上向き状態だ。ご同慶の極みである。羽生善治永世七冠や藤井聡太七段の快進撃が、そのエネルギー源になっている。将棋の世界大会が開催されて世界への繁殖が始まっていることに、驚きと喜びが湧いてくる。外国人には分かりにくいと思われていた駒の文字が、映像として脳に入り始めたのだ。外国人から見れば将棋は外来種である。将棋が、繁殖力の強い外来種であり続けていただきたい。かつて、日本のお家芸であった柔道が、今や世界の柔道になりきっているように−。

 この観戦記にご協力いただいた各位に厚くお礼申し上げます。

 【図版】1図(■5五歩まで)

 【図版】2図(□2三銀打まで)

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