梅まつり将棋大会観戦記 第1譜C級(中)

2019年02月17日

 ■菊地菜津子(熱海) □新妻明(静岡) 観戦記/石田豪成

 ・意外な緩手

 第1図の形勢はどちらが良いのだろうか? 駒の損得、王の形、大駒の働きのいずれを見ても後手が良い。ただ一つ、先手の手番である所に先手としては希望が持てる。後手の新妻さんが手堅く□6三銀と打った所である。ここで菊地さんは、あっと驚く意外な緩手を指す。何と■6五歩打である。この一手でさらに形勢は開いた。後手新妻さんは□6七歩成と歩を静かに裏返す。余裕の手つきである。■同金□同龍■5二桂成□同銀とバタバタと進んだ。

 次の菊地さんの■4五角打の駒音は峻烈(しゅんれつ)だった。龍取りと銀取りを狙った勝負手だ。新妻さんは小考の後に□5六桂と打って第2図となる。放置すれば簡単な即詰みである。先手には適当な受けがない。□5六桂に替えて、□4六桂■同歩□4七金■同金□4九角■3九玉□4七龍と必死をかけるのも有力だったが先手に手番が渡るのが、実戦心理としては怖いところだ。やはり、本譜の方が安全だ。

 本譜に戻って、菊地さんの手が止まっている。苦悶(くもん)の表情である。新妻さんはじっと意気を止めて応手を待っている。終盤の息詰まる切所なのだ。ややあって菊地さんは■5六角と桂を取った。その指先には、もう力は入っていなかった。新妻さんは喜色満面で□同龍と角を取る。後手にはもう怖いものはいない。敵の龍は1一で遊んでいる。これを見て、菊地さんは投了した。悔しさをにじませる表情の中にも、若い女性美がのぞいていた。

 ・将棋界は 戦国時代

 今年は改元の年である。どんな元号が布告されるのだろうか? 私たちは大きな関心を持ってその時を待っている。将棋界も今年は戦国元年である。広瀬章人龍王、佐藤天彦名人、高見泰地叡王、斉藤慎太郎王座、豊島将之王位・棋聖、渡辺明棋王、久保利明王将の七強がひしめいているからだ。戦国時代の四文字熟語は紀元前に中国大陸に割拠していた七強国を秦始皇帝が統一するまでの時代区分として生まれたものである。果たして、羽生永世七冠の後を受けて初の八冠となって、将棋界を統一するのは誰であろうか、戦いはもう始まっている。

 【図版】1図(□6三銀打まで)

 【図版】2図(□5六桂打まで)

各地の最新の写真
伊東
伊東は高島礼子さんら 連続ドラマ「料理人ワタナベ」ゲスト発表
下田
現職と新人各7陣営、1超、少数激戦か 下田市議選予定者説明会
中伊豆
「地酒で乾杯条例」可決 最終本会議終了後にデモ―伊豆市議会
熱海
のぼり旗で静岡DCPR 機運盛り上げへ熱海市

最新写真特集

伊豆のひろば投稿
伊豆パワースポットめぐり
伊豆新聞&イズハピが贈る伊豆の観光情報紙「伊豆時間」 花半島伊豆 ちょっと早めの春をさがしに・・・(PDF)