身近な法律講座 81=【事業承継 9】税負担も考慮し方法を選択(伊奈綜合法律事務所・伊奈誠司弁護士)

2018年08月26日

0826身近な法律講座
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 親族内承継の方法としては(1)株式を買い取る(2)株式を贈与する(3)株式を相続で取得することなどがあります。

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 (1)株式の売買の場合、現経営者の相続人から後継者が遺留分減殺請求を受けるリスクはなくなります(遺留分が侵害された相続人は相手方に減殺請求ができます)。

 ただし、買い取るには、後継者に資金が必要となります。株式の評価額が高額であれば、買い取り資金も高額になります。買い取る株式を担保にし、あるいは会社が後継者の保証人となり、金融機関から融資を受け取得資金を確保することもあります。

 株式の譲渡金額によっては、現経営者に譲渡益が発生し、現経営者の譲渡益に所得税が課税されることもあります。

 (2)贈与する場合、後継者側の買い取り資金は不要です。しかし、贈与税が高額になる可能性があります。

 (3)相続の場合、現経営者の遺言がなく、相続人間での遺産分割協議も成立しない場合、株式の帰属が決まらないままとなります。遺産分割協議成立まで会社の経営権の帰属が不安定になります。経営者が遺言を残しておけば、株式の帰属に関する遺産分割協議は不要です。ただし、後継者が相続人から遺留分減殺請求を受けるリスクはあります。

 このようにそれぞれの方法には、長短があります。後継者、経営者それぞれの税負担など、方法ごとの得失を見極めて、承継スキームを考える必要があります。

(小田原市・伊奈綜合法律事務所、伊豆の国市出身)

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