熱視線=氷結する「芭蕉の滝」 積雪のなか訪ねる―伊豆市猫越

2018年02月11日

積雪の中、崖道をアイゼン、ヘルメットの完全装備で滝へ
積雪の中、崖道をアイゼン、ヘルメットの完全装備で滝へ
全面氷結までには至らず、若干やせ細っているが、落差30~50メートルが凍り雄大で美しい=伊豆市猫越
全面氷結までには至らず、若干やせ細っているが、落差30~50メートルが凍り雄大で美しい=伊豆市猫越
温暖化でやせたとはいえご覧の迫力。滝つぼは昔、舞台のようになったという
温暖化でやせたとはいえご覧の迫力。滝つぼは昔、舞台のようになったという
地元の人が氷をオンザロック用にする芭蕉の滝の奥の名もなき滝。全面氷結にはほど遠かった
地元の人が氷をオンザロック用にする芭蕉の滝の奥の名もなき滝。全面氷結にはほど遠かった

 ■やせるも迫力満点

 全国的に例年以上の厳しい寒さが続くなか、西天城の標高770メートルほどにある芭蕉[ばしょう]の滝は氷結しただろうか―。滝までの道が一部崩落し、通行止めになって久しい伊豆市猫越[ねっこ]の芭蕉の滝を、さきごろ調査を兼ね万全の態勢で訪ねた。冬山登山の経験があったり、子どもの頃から何度も行っているという地元の人らの協力を得て臨んだ。高所で北向きのため伊豆で唯一、全面的に凍る滝として知られる。(文、写真 森野宏尚)

 ■美しさ際立つ 一般者は危険行かぬように

 伊豆森林管理署が管理する林道は一般車の通行が禁止され、普段、鉄製パイプのゲートで閉ざされている。このため猫越集落に車を止め、ゲートから歩いた。1月22日の降雪で猫越支線林道や分線林道は雪が多く残り、硬く凍り付いて滑る場所もあった。雪道のため滝の入り口まで2時間余かかった。

 林道から芭蕉の滝までの崖道は通常なら15分もかからないが、部分的な崩落が数カ所あり、その上、雪が15~20センチ積もり、先導者はラッセル(除雪、道作り)しながら慎重に歩を進めた。アイゼンを付けるなど滑り止め対策をしなければ、危険でとても行けない。

 崖はほぼ垂直で、高さが50メートル以上ありそうだ。足を踏み外せば谷底まで落下し命を失う危険すらある。通常の倍以上かかって、やっと到着。眼前に滝が姿を現すと、安堵[あんど]とともに同行者から笑みがこぼれた。

 極寒の日が続くも、温暖化の影響か滝は完全には凍っていなかった。少しやせていて、落水も一部見えた。同行者の1人(70)は「子どもの頃は滝つぼの辺りも一面舞台のように凍り、全体の氷がもっと太っていた」と話した。

 だが、落差は30~50メートルありそうで、やせているとは言え、氷は厚く凍り付き、実に雄大で美しい。伊豆では、ほかに見ることができない景色だ。若い頃、取材で何度も訪れており、芭蕉の滝の名の由来について「イノシシや鹿を滝の上に追い込み、滝つぼに落として仕留めた『場所』から『芭蕉』に変化し、名が付いたと聞いた」。それらしいいわれだが、真偽のほどは分からない。

 滝つぼで若いカップルが氷を溶かしてコーヒーを湧かし、飲んでいる姿にも出会ったことがある。「うらやましかった」と切り出すと、同行者が「地元ではここの氷は取らない。滝の上は台地のようになっていて小川のよう。動物も来るので、この奥にある急峻[きゅうしゅん]な沢の氷をオンザロックにする」

 森林管理署の作業道でもある崩れそうな手作りの橋を通り、奥の沢にも案内してもらった。ここは完全氷結にほど遠い状態だった。現地に1時間余とどまり、慎重に下山した。「自己責任」であっても一般者は絶対に行かない方が良い。紙面上で、芭蕉の滝を堪能してほしい。

 【写説】積雪の中、崖道をアイゼン、ヘルメットの完全装備で滝へ

 【写説】全面氷結までには至らず、若干やせ細っているが、落差30~50メートルが凍り雄大で美しい=伊豆市猫越

 【写説】温暖化でやせたとはいえご覧の迫力。滝つぼは昔、舞台のようになったという

 【写説】地元の人が氷をオンザロック用にする芭蕉の滝の奥の名もなき滝。全面氷結にはほど遠かった

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