伊豆稲取および灯台群(10)・完 稲取灯台研究家・佐藤衛 

2017年12月29日

稲取港の(左から)沖防波堤灯台、東防波堤灯台、南防波堤灯台
稲取港の(左から)沖防波堤灯台、東防波堤灯台、南防波堤灯台

 ■灯台に関する疑問と課題

 稲取灯台に関して、官報による公示は2回行われている。官報の内容と公式な資料の内容には重大な差異がある。代替の灯器を使用して初点灯した日が、公示より数カ月遅く、正規の灯器が使用されたのは、さらに5年も遅れている上に、本来の性能を発揮していたのは、その後10年ほどしかない。

 漁民の寄付によって建築されたにもかかわらず、あまり重要視されていないように思えるのは、灯台建築直後に漁船の動力化が始まり、漁場が遥か遠くまで広がったことなどが関係しているように思える。

 3基の外洋灯台では、戸茂呂(ともろ)岬の灯台は「稲取灯台」であり、稲取岬の灯台は「稲取岬灯台」だが、黒根岬の灯台には、どんな名称が付いていたのであろうか。この灯台が建築された年月も確認できていない。また、防波堤灯台では、昭和12(1937)年に南防波堤に設置されたことが官報で公示されているが、昭和8(33)年完成予定で、南防波堤に港灯1基を設置し、他の場所には灯竿1基を設置する計画が進められていた。

 稲取灯台及び稲取の灯台群に関しては、その記述に多くの疑問や不明な点があり、根拠となる資料もはっきりしていない。役場や旧家の資料の中に重要な情報が埋もれている可能性があり、専門家や学芸員による調査も待たれる。また、資料館が老朽化してきており、早急に刺繍(ししゅう)画の保存方法を検討する必要があろう。

 映画化へつなげるためには町民の盛り上がりが重要である。この連載によって、稲取の灯台を見直すきっかけになり、町の活性化に役立てようとする方々が増えることを願っている。灯台に明かりをともしたり、ライトアップするなどのイベントが継続的に実施できれば、さらに盛り上がるであろう。

 個人的には、擬似(模擬)灯台も点灯させ、街灯のように利用できないであろうかと思っている。

 終わりにあたり、文中の誤りを指摘していただき、新たな情報を提供してもらえれば幸いである。

 【写説】稲取港の(左から)沖防波堤灯台、東防波堤灯台、南防波堤灯台

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