寄稿=伊豆川奈に導かれて(10)自然の森を復元したい 「読書の森」に植樹、花壇整備(山本文夫・伊東市川奈、小室山富士急別

2017年10月31日

人災による小室山北側斜面の惨状(2012年撮影)
人災による小室山北側斜面の惨状(2012年撮影)

 伊東市の小室山北側山腹に4千坪のヒノキ林がありました。「読書の森」と名付けられ、夏でも涼しい風が吹いていました。2011年、この森の西側のヒノキを切ったため、1年足らずで全てのヒノキが倒れてしまいました。その広大な跡地に伊東小室桜を植えるという計画がありました。ここは冬に季節風が吹き抜ける場所、桜の木では役に立たないので、ぜひ自然の森を戻してほしいと市にお願いしました。大風にも倒れにくく、枝や葉に大量の水分を含むため、防火帯にもなる常緑広葉樹のシイやカシの木を中心にして、周囲に落葉樹を配し、多様な生物が遊ぶ自然の森を復元してほしいというお願いでした。

 市はこれを受け入れ、14年、90本の樹木を植えてくれました。これに続いて小室山富士急別荘地自治会は、55本の樹木を植えましたが、それでも空き地が大きく広がっているため、市の承認のもと、山野草の花壇を作り、遊歩道の整備を進めてきました。この10月まで12回の整備作業を行い、延べ530人の方々のご協力を得て、25を超える大型花壇が出来ました。苗や草刈り機などの購入費は市当局と県東部農林事務所やグリーンバンクなどが支援してくれています。

 作業には自治会員以外に、森や植物の好きなボランティアの方々や小学生たちが参加してくれます。午前8時半、小室山の山腹に、続々と車を乗りつけ、集まってくる皆さんの姿に大いに勇気づけられます。大きな腐った木の根や岩を掘り起こし、草を抜き、数百株の山野草の苗を植え、遊歩道を作っていきます。傷ついた自然を復元し、整備していく、大地と心がふれあう3時間。大人も子どもも皆一つになって大事な作業をやり終えた爽快感に包まれます。

 殺虫剤DDTはその毒性が強いため、生物に大きな影響を与えていることを警告した「沈黙の春」の著者、レーチェル・カーソンさんは次のように述べています。

 「地球の美しさと神秘を感じとれる人は、人生に飽きて、疲れたり、孤独にさいなまれることはけっしてないでしょう。地球の美しさについて深く思いをめぐらせる人は、いのちの終わりの瞬間まで、生き生きとした精神力を保ちつづけることができるでしょう」。

 【写説】人災による小室山北側斜面の惨状(2012年撮影)

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