伊豆の今=伊豆半島サイクリング聖地へ 五輪に向け動き活発化

2017年06月30日

電動アシスト自転車20台を備える「いずベロ」。市民への利用促進も目指す=伊豆市の修善寺駅前
電動アシスト自転車20台を備える「いずベロ」。市民への利用促進も目指す=伊豆市の修善寺駅前

 ■しまなみ海道に続け 「リゾート」で差別化、課題も

 2020年東京五輪・パラリンピックの自転車競技が伊豆市で開かれることを契機に、伊豆半島を「サイクリングの聖地」にしようとする活動が活発化している。各種団体がサイクリストの誘致、一般観光客への自転車普及などを目指し、さまざまな取り組みに力を入れる。一方、道路整備や受け入れ態勢強化、住民の意識改革などハード、ソフト両面で課題も多い。

 美しい伊豆創造センター(通称・美伊豆)は3月、「全ての世代の自転車愛好家が集う『サイクリングの聖地』の実現」を目的にした「サイクリングリゾート伊豆基本計画」を策定した。先進地の瀬戸内しまなみ海道(通称)を引き合いに「西のしまなみ、東の伊豆」を構想に掲げる。

 計画名の「リゾート」は、先進地との差別化を図るため、伊豆半島最大の強みである「滞在型の観光インフラ」「楽しさの提供」をイメージした。事業期間は本年度から4年間。課題として「環境整備」「地域連携・活性化」「情報発信」「人材育成」「インバウンド対応」の5項目を定め、年度ごとの実施計画を決定した。

 伊豆市観光協会天城支部は五輪決定前の12年度から、サイクリング事業に取り組む。事務所が入る天城会館でスポーツタイプ自転車を貸し出すとともに、レベルに合わせたお薦めコースを紹介している。サイクリングとバーベキューを組み合わせた旅行商品の造成も目指す。五輪決定は追い風になったものの、事務局長の板垣敏弘さんは「根付かせなければ意味がない。五輪がなくても続けていた」と長期的活動を見据える。

 NPO法人ステキな・ごえんは、伊豆市から委託を受け、修善寺駅前で電動アシスト自転車レンタルの「いずベロ」を運営する。20台を用意し、観光客らに貸し出している。理事長の後藤順一さんは「自転車で“伊豆のすてき”を見つける情報発信の拠点になりたい」と意気込む。

 交通機関は、自転車をそのまま持ち込んだり搭載したりできる「サイクルトレイン」「サイクル・ラック・バス」を運行する。伊豆箱根鉄道では4月に122人、5月に199人が利用した。「だんだん認知されてきた。利用者の反応も良い」と手応えを口にする。

 課題は、道路をはじめとしたハードの整備。伊豆地区は狭い道路が多く、自転車道や自転車専用通行帯の整備が難しいことを受け、県などは自転車の走行位置を示すとともにドライバーに注意喚起する「矢羽根型路面表示」を推進している。県道沼津土肥線の一部区間で設置が終わり、本年度は五輪会場となる伊豆ベロドローム周辺などへの整備を計画する。

 ソフト面の課題も多い。いずベロは自転車に乗る割合が低い市民の利用促進を目指して「ファンクラブ」を立ち上げた。後藤さんは「たこ焼きが有名な大阪は、市民が進んで食べている」とし「まず市民が自転車に乗ることで、サイクリストへの関心、理解が深まる」と強調する。

 自らもサイクリストの板垣さんは「ガイド体制の確立」を課題に挙げる。「コースはスマホで知ることができるが、地元の人がガイドすることにより付加価値が上がる」と語る。美伊豆サイクリング事業担当の小泉達也さんは「一度だけではなく、何度も訪れて伊豆のファンになってほしい。そのためのホスピタリティー(おもてなし)を育てるためにも、自転車に乗る文化を根付かせることが大切」と力説する。

(伊豆日日新聞・小川勝之記者)

 【写説】電動アシスト自転車20台を備える「いずベロ」。市民への利用促進も目指す=伊豆市の修善寺駅前

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