知事選、県政に望む(下) 賀茂広域連携会議 医療への不安、人口流出の一因

2017年06月17日

土屋副知事の司会で進行する賀茂地域広域連携会議=県下田総合庁舎
土屋副知事の司会で進行する賀茂地域広域連携会議=県下田総合庁舎

 “平成の大合併”に乗り遅れるなど、まとまりに欠けていた賀茂地区は、2年前に県の音頭で「賀茂地域広域連携会議」が発足し、着実に成果を挙げるとともに、「賀茂は一つ」の連帯感が醸成されてきた。同会議の取り組みや、今後の広域連携の課題を探った。

 同会議は、土屋優行副知事と賀茂6市町長などで構成。地域の共通課題を協議し、必要に応じて事務レベルの専門部会を設置、課題解決に向け取り組んでいる。2015年4月から今年5月までに計13回開催。これまでに協議したテーマは、行政分野の連携が▽消費生活センターの共同設置▽教育委員会の共同設置▽税の徴収事務の共同処理▽地籍調査の共同実施▽地域包括ケアシステムの構築・運営など9点、官民・民民の連携が▽伊豆半島クリーン作戦▽伊豆半島周遊ルートの開発など5点。

 このうち、消費生活センターは昨年4月、下田総合庁舎内に設置。16年度は消費生活相談を222件(市町実施の15年度の3倍)受け付け、約790万円を救済(未然防止、被害回復)した。

 税の徴収事務の共同処理は、県と6市町でチームをつくり16年度から取り組む。14年度に約18億1800万円(6市町全体の市町村税)あった収入未済額が約10億1千万(17年度見込み)に減少するなど大きな成果を挙げている。

 教育行政では今年4月3日、県下田総合庁舎内に賀茂地域教育振興センターを開設。県と賀茂6市町の指導主事が連携し、今年2月に策定した賀茂地域教育振興方針の実践に取り組む。

 東日本大震災の教訓を踏まえ土地の境界を確認する地籍調査も、本年度から共同での取り組みが始まった。

 一方で観光、医療、福祉など、民間を含めた広域連携の課題は多い。県がまとめた2015年度の観光交流客数は、伊豆全体で前年比4・7%増だが、賀茂6市町はいずれも平均を下回り、松崎町(6%減)、西伊豆町(6%減)、南伊豆町(3・8%減)、下田市(0・8%減)はマイナスとなった。

 医療環境も心もとない。心疾患、脳疾患などの高度医療は地域内で十分に対応できず、産婦人科医や小児科医などの専門医も不足している。救急医療への不安感が人口流出の一因となっている。

 参与として広域連携会議に出席する森竹治郎県議は「賀茂1市5町の人口は、伊東1市より少ない7万人足らず。それぞれが同じような事務を行うのは非常に不合理だった。広域連携会議は県のノウハウも取り入れ、大きな成果を挙げている。医療や高齢者福祉、過疎対策、魅力ある観光地づくりなどにもっと取り組んでもらいたい」と期待を寄せる。

 【写説】土屋副知事の司会で進行する賀茂地域広域連携会議=県下田総合庁舎

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