寄稿=伊豆ヴェルディ合唱団演奏会・大震災の日に寄せて(下)卒業前に故郷で演奏会 11日午後2時から 伊東市観光会館(伊東

2017年03月03日

浜野杜輝さん
浜野杜輝さん

 この度、伊豆ヴェルディ記念合唱団の演奏会にバリトン歌手としてお招きいただいた浜野杜輝と申します。私の伊豆とのご縁というものは、思えば長いものでして、つまりはこの土地が私の故郷になるのです。

 私が2歳の頃に家族で伊東市の伊豆高原へと引っ越してまいりました。その後は市立八幡野幼稚園、市立八幡野小、市立対島中、県立三島北高へと進み伊豆という土地で育った人間なのです。中学時代に音楽の先生に憧れ、教員を目指し、声楽を勉強しようと思い至ったのが歌手人生の幕開けでありました。

 その声楽の最初の恩師にあたるのが、伊豆ヴェルディ記念合唱団の指揮者である小屋敷真氏でありました。その後、声楽を勉強するうちに、教員ではなく歌手を志すようになった私は、本格的に声楽を勉強するために東京芸術大へと進学し、この春、この演奏会の2週間も後には卒業式を迎えようというのです。そんな節目の時期に、この思い入れある地で、恩師である小屋敷氏や、伊豆での音楽活動で大変お世話になっている同合唱団代表の斉藤真知子氏らとともに演奏会に歌手として出演できることを大変うれしく思っています。

 故郷での演奏会に招かれるにあたって多くの演奏家が抱くのは、故郷に恩返ししたいという思いでしょう。この文を書くにあたって当然私にもそのような思いが浮かんだ訳であります。しかし、それと同時に私に故郷への恩返しなどできるだろうかという思いもあるのです。私はまだまだ発展途上であり、まだまだ勉強を続ける身であります。今、この節目に故郷という地で、初めて歌手として招かれることの意味とは。お世辞にも音楽が盛んとは言えないこの地から、まだ名もなき音楽家が一人現れたことを、私の存在を、皆さまに知っていただきたい。伊豆の誇りになって皆さまに恩返しができるその日までどうか見守っていただきたいのです。

 さて、長くなりましたが、微力ながら、どうかこの演奏会を成功へと導けたらと思っております。たくさんの方々のご来場を心よりお待ちしております。

 【写説】浜野杜輝さん

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