1面コラム 潮の響=縁側

2019年05月05日

 伊東市玖須美元和田の貸しスペース「日吉」は古い日本家屋。オーナーの小野田和代さんが、父親の他界後に空き家となっていた実家を改装して、貸し出している。先日、天然素材の糸や布で作った人形や洋服、小物の作品展が開かれた。取材した後、「どうぞ縁側でお茶を飲んでいって」と勧められた

 ▼作品の並ぶ座敷の横の縁側に、ちゃぶ台と座布団が用意してあった。ガラス越しの日差しの中、お茶をごちそうになった。作家さんらと言葉を交わしながら、のんびりとした時間を過ごした

 ▼それまで忘れていたけれど、縁側はいい。前に「伊東東郷記念館」でも同じ事を思った。記念館は東郷平八郎元帥が晩年を過ごした別荘。庭に面した縁側の居心地が良いらしくて長居する人が絶えないと、スタッフが話していた。そこに流れる時間は他の場所よりゆっくりしているような気がした 

 ▼大型連休も最終盤。そろそろ休み疲れも溜まってくるころだ。遊び足りないという人より、縁側でのんびりしたい人のほうが多いのではないか

 ▼とはいえ、最近は縁側を探すのも一苦労か。だったら海でも山でも近くの公園でもいい。肝心なのは場所ではない。何もせずに、ぼーっとした時間を過ごすことだ。

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