1面コラム 潮の響=ウグイス

2018年11月04日

 餡[あん]を求肥で包み、青大豆のきな粉をまぶしたのがうぐいす餅。きれいな緑色だ。青エンドウと砂糖で作るのがうぐいす餡。やはり鮮やかな緑色をしている

 ▼ところが実際のウグイスは緑色ではない。伊豆野鳥愛好会の来年のカレンダーに、写真が掲載されている。桜の枝に止まって鳴くウグイスの体の色は、緑色とはほど遠い地味な茶色だ

 ▼愛好会の酒井洋平会長は、昔の人がメジロをウグイスと取り違えたのではないかと推測する。「ウグイスはやぶの中に隠れて鳴く。同じ時期に、梅や桜の枝をメジロが飛び交う。それで勘違いしたのだろう」。確かに「梅と鶯[うぐいす]」と聞けば、梅の枝に止まる緑の小鳥の図を思い浮かべる。あれはメジロだったのか

 ▼カレンダーにはウグイスのほかに、会員が伊豆半島で撮影した野鳥が12種類掲載された。ヒレンジャク、ササゴイなどの珍しい鳥に加えて、スズメも登場する。身近な野鳥だが、近年は減少が心配されている。酒井会長によると、伊豆半島でも都市部では年々生息数が減っているという

 ▼カレンダーには松崎町大沢で撮影した飛び立つ群雀[むらすずめ]が掲載されている。スズメが群れ飛び、ウグイスが鳴く穏やかな日々。そのありがたさを改めて思う。

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