1面コラム 潮の響=過疎地の高校進学の現実

2018年10月29日

 県内唯一の離島、熱海市の初島では、高校に進学する子どもを見送る「島出」という儀式がある。一番近い県立熱海高でも通学はできないため、進学は1人暮らしが必須。15歳の旅立ちを港に島民が集まり、激励して送り出す。離島の現実の一端だ

 ▼沼津市戸田地区も同様の事情を抱える。唯一の公共交通機関は路線バスだが、本数が少なく通学できる高校が限られる。進学を機に多くは1人暮らしし、家族ごと転居する人も少なくない。過疎に拍車を掛ける要因にもなっているという

 ▼先日、同地区の自民党支部が頼重秀一市長に2019年度予算要望を行った。8項目だが、中心は同地区からの高校進学支援だ。進学に伴う転居を減らすため、通学費や送迎費の補助、戸田−沼津駅間の通学バス増便などを求めた

 ▼支部長の水口淳市議は言う。「沼津駅行きのバスは1日1往復しかなく、定期代は月3万円ほどかかる。だから通うにしても朝晩送迎する親は多く、どちらも負担が大きい。同じ過疎指定の伊豆市土肥地区のように助成できないか」

 ▼さらに「同じ沼津市の高校生のように、戸田の子どもたちも自宅から通学して部活もやるなど、普通の高校生活を送らせてあげたい」とも。同感だ。

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