1面コラム 潮の響=千年のロマン漂う平安の仏像たち

2018年09月29日

 およそ千年前、平安時代の伊豆半島は、どんなところだったのだろう。「一地方としては、文化・経済ともかなり繁栄していたと思われる」。上原美術館の田島整・主任学芸員は、伊豆の仏像調査から、そう推測する

 ▼同館は開館以来35年にわたり、伊豆各地の寺院や地域に伝わる仏像の調査を続けてきた。これまでに賀茂地区を中心に約200カ所・3千体の仏像を調査し、伊豆が仏像の宝庫で、特に南部は平安時代の仏像が多いことを明らかにした

 ▼「海沿いの集落には必ず仏像があり、その豊富さから想像以上に海運が発達していたことが分かる。しかも質の高い仏像が多く、当時の中央政権が海上交通の要衝として伊豆を重視していたこともうかがえる」と田島さん

 ▼同館では、「伊豆の平安仏―半島に花ひらいた仏教文化」を12月9日まで開催中。伊豆の平安の仏像18点を厳選展示する。60年に一度開帳の不動明王立像(松崎町松尾区)や寺外初公開の先手観音立像(伊豆市・金龍院)など貴重な仏像が並ぶ

 ▼千年にわたり、伊豆に暮らす人々の喜びや悲しみを、じっと見守ってきた平安仏。風化した深みある仏様の数々に、平安の伊豆へタイムスリップし、いにしえのロマンを垣間見た。

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