1面コラム 潮の響=初秋の伊東文学散歩

2018年09月19日

 きょう19日は俳人正岡子規の命日である「子規忌」。辞世の句にある糸瓜[へちま]から「糸瓜忌」、雅号から「獺祭[だっさい]忌」とも呼ばれるという。その子規に師事した一人に、伊東温泉と縁のある高浜虚子がいる

 ▼1951年、旅館「よねわか荘」の開業祝いに招かれた際、「ほととぎす伊豆の伊東のいでゆこれ」の句を詠んだ。句碑は今も伊東市広野の「よねわかの足湯」横にあり、誰もが見ることができる

 ▼虚子だけでなく伊東市内には多くの文学者の痕跡が各所に残る。市街地周辺だけでも、木下杢太郎歌碑、室生犀星詩碑、尾崎士郎文学碑、北原白秋歌碑などが点在する。碑と碑の距離は比較的近く、短時間で歩いて巡ることが可能だ

 ▼猛暑を飛び越えて酷暑と言われた夏がすぎ、ようやく過ごしやすい気候になった。読書や運動、釣りなど、何をするにも最適な時期が到来したが、碑を巡る「文学散歩」も候補の一つに入れてみてはどうだろう

 ▼南部地域のさくらの里、城ケ崎海岸は歌碑や文学碑があり、ジオサイトとのコラボを楽しむこともできる。こちらは少し時間的な余裕が必要だ。長短関係なく、都合のつく時間内で行きたい場所を組み合わせる。文学に触れながら初秋の伊東を巡るのも趣がある。

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