1面コラム 潮の響=過去の災害を伝える碑

2018年09月10日

 北海道胆振[いぶり]東部地震を伝えるニュースで、倒壊した神社の建物や石鳥居を捉えた映像を目にした。95年前の関東大震災の際、熱海市伊豆山地区での被害状況を記録した写真が頭の中で重なった。伊豆山神社には崩れた手水舎や参道階段に倒れた石鳥居の写真が残る

 ▼同震災で住民の救助活動中に殉職した相羽清重巡査の顕彰に向けた地域住民の取り組みを追いながら、何度か写真を見る機会があった。巡査は倒壊した石鳥居の破片が頭に当たり、命を落とした

 ▼殉職警官の存在は、年月を経て地元でも知る人がいなくなっていたが、熱海署幹部が2016年度に署の沿革を調べる中で“発掘”した。業績を後世に伝え、安心安全の礎にしようと地元有志らが顕彰碑の建立を進め、今夏、次代を担う小中学生を交えて除幕した

 ▼地域の被害などを調べる中で、同神社敷地にも被災と復興を記した碑が建ち、国道135号沿いには道路工事中に土砂崩れで生き埋めとなった人たちの慰霊塔があることを知った

 ▼その土地の過去の災害を伝える石碑は各所に残る。台風、地震、豪雨と自然災害が相次ぐ昨今だけに、先人たちが碑に込めた教訓と思いを受け止め、地域の防災や減災へとつなげていきたい。

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