1面コラム 潮の響=伊豆のアユ

2018年07月10日

 青黒い背中に黄白色の腹、野性味のある顔つき…。先月、東京のイタリア料理店の知人が会員制交流サイトにアユの写真を投稿した。友釣り名人の男性客が寄せた狩野川のアユだった。香草焼きを店のメニューにしたそうだ

 ▼男性は岐阜県・長良川や長野県・上川など各地を釣行するという。知人は、店でシェフが料理した天然アユを各国のロゼと味わうワイン会を来月、開く

 ▼アユは初夏の代表的な味覚だが、今年はまだ味わっていない。以前友人に誘われ、餌釣りではあるが河津川に何度か行った。自ら釣ったアユを家で塩焼きにすると、格別な味がした

 ▼香魚、年魚とも呼ぶが、温泉の余り水が入る川では時に「トウス」という二年魚がいることがあるそうだ。園部雨汀さん著「伊豆の魚たち」(伊豆新聞本社発行)で知った。「色もやや茶色を帯び、やせて頭が大きく、かなりの悪相をしている」などとある

 ▼1927年のきょう、岩波文庫が創刊された。今年が生誕120年、没後25年にあたる井伏鱒二は「川釣り」(同文庫)の一編「釣魚記」に、河津・谷津の宿に泊まりながら河津川で落ちアユ釣りをしたことをつづる。いつまでも守らなければならぬ伊豆の自然の恵みだろう。

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