1面コラム 潮の響=伝統の色彩

2018年05月28日

 「白桃を食べると、夏の到来を実感する」―。エッセイスト平松洋子さんが「おとなの味」(新潮文庫)につづる。添えられた写真の桃の表面の濃淡が鮮度を表すかのようだ

 ▼先日、下田黒船祭「KIZUNA広場」の会津若松市(福島)ブース関係者にチラシをもらった。「ふくしまのいろ」美しい桃色―と書かれ、果物王国・福島市の桃の写真があった

 ▼今年、福島県印刷工業組合が「ふくしまのいろ」14色を選んだ。同組合ホームページによると「大切に後世に伝えるべき伝統色を選定し、内外に発信しよう」との狙い。鶴ケ城の赤瓦、三春滝桜の桜、白河だるまの紅、あんぽ柿の橙[だいだい]、猪苗代湖の紺碧、塩屋埼灯台の白などに説明文を添える。“誇り”の色を商品などに活用し、地域特有の色彩を次代に伝えていくという

 ▼伊豆はどうだろうか。河津桜などの桜、海の紺碧やエメラルドグリーン、ワサビやお茶の緑、キンメダイの赤、柑橘の黄などがまず浮かぶ。「ふくしまのいろ」に川内村のモリアオガエルが「生命の緑」とあった。伊豆にはシラヌタの池がある

 ▼伊豆の風土や文化を伝える“根差した色”を考え新たな視点を得た思いだ。PRだけでなく、伝統を継ぐ手法として参考にしたい。

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