1面コラム 潮の響= 次世代につなぐ場を

2017年12月26日

 繭の中にいるような不思議な感覚を覚えた。熱海市の南熱海マリンホールに出現したピーナツ形ドームの中に入り、しばし過ごした。小窓が切り取る景色をのんびりと眺めるのも楽しかった

 ▼同市に移り住んだアートコーディネーター古原彩乃さんが主宰する「驚きの学校」のワークショップで、ドームは美術家の水内貴英さんが養生シートで制作した。ドームの中での約束事は「頑張るな!」。水内さんは「頑張らないでいると、いつもとは違った風景が見えてくるかもしれない」とその意図を説いた

 ▼普段、耳にも口にもする「頑張れ」とは逆の「頑張るな!」と呼び掛ける発想に面白みを感じた。古原さんの「面白い大人に出会い、いろいろな生き方があることを知ると、子どもたちのよりどころになるのではないか」という言葉にもうなずけた

 ▼振り返るとこの1年、“面白い人”にたくさん出会えた。地元に根を張り地道な活動を続ける人、移り住んで新たな事業を始める人、一人一人の生き方に触れ、励まされることも多かった

 ▼熱海にさまざまな形で関わる“面白い人”と子どもたちが出会い、つながる仕掛けづくりが広がると、この町はますます面白くなるのでは―とドームの中でぼんやりと考えた。

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