1面コラム 潮の響=子どもの声が響く町へ

2017年12月20日

 久しぶりにベーゴマを手にした。伊東市内の飲食店で先日、先輩が「ひもを結んでみなよ」とベーゴマとひもを差し出した。ひもにある二つのこぶを尻の部分に当てて巻くのは覚えていたが、何度か試したもののうまくいかない

 ▼隣りの友人もできず、結局は先輩が実演してくれた。40年以上も前、近所の子どもが集まってベーゴマで遊ぶのは日常だった。やすりで尻の部分を削って針のように細くしたり、重心が低くなるよう溶かした蝋を表面に垂らしたり工夫をしたものだ

 ▼正月は手作りの凧を砂浜や空き地で揚げ、誰が遠くまで飛ばすことができるかを競った。風に乗って飛び過ぎ、糸が足りなくなってしまい、慌てて買いに走ったことも懐かしい

 ▼子どもを標的にした犯罪や無差別殺傷事件などを受け、伊豆でも幼稚園・保育園や学校の門は閉ざされ、外で遊ぶ子どもたちの姿を見る機会も減ったまま。“自衛策”とはいえ、本来あるべき環境とはほど遠い

 ▼近所付き合いが濃い伊豆なら、登下校時だけでなく日頃から子どもの声が響く町を復活させることができる。そのために地域内の連携を今以上に強め、“顔の見える町”を構築したい。師走の夜、ベーゴマを見てそんな思いが巡った。

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