1面コラム 潮の響=伊豆のミカンの多様性

2017年12月19日

 「今年はミカンが全体的に不足している」と知人が話していた。10月の台風の影響だろうか。家人が首都圏や福島県の知人にお歳暮を贈る際「○○さんは干物よりミカンがいい」と、いつも頼む農家と別の所にも注文した

 ▼温暖な伊豆は、ほぼ一年を通して多くの品種のミカンを味わえる。この時期は「こたつでミカン」が定番だ。東京で働く息子と娘は伊豆にいたころはあまり食べなかったが、連絡すると古里を懐かしんでか「送ってほしい」と返事が来た

 ▼伊東市宇佐美のクラフトビール製造・販売会社「宇佐美麦酒製造」は地元産ミカンを使った発泡酒「みかんdeエール」を発売した。東大みかん愛好会と共同で企画・開発した。宇佐美は童謡「みかんの花咲く丘」の舞台だけに“相乗効果”もあるだろう

 ▼ミカンをまるごと使った西伊豆町仁科「飴元 菊水」の飴菓子“あまてる”を弊社の観光情報サイト・イズハピで知った。素朴な味わい。ミカンを切り口にした商品の多様性は伊豆ならではである

▼歳時記をめくると高浜虚子の「道々に蜜柑の皮をこぼし行く」があった。小学生の頃、友達と山道を下校途中、たわわに実ったミカンが目に入り、失敬して食べた記憶がよみがえった。

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