1面コラム 潮の響=注目されるオリーブ栽培

2017年11月11日

 農業従事者の高齢化や後継者不足に伴い耕作放棄地が増加、伊豆各地の田園は今、外来植物のセイタカアワダチソウやアシなどに覆われ、惨たんたる風景が広がる。加えて有害鳥獣による農作物被害が耕作意欲をそいでいる

 ▼そこで、下田市は温暖な伊豆に適したオリーブに着目した。先日、市民とともに市内3カ所の試験ほ場に計105本の苗木を植樹した。伊豆では、既に松崎町石部地区や伊豆急行などが栽培しているが、まちぐるみでの取り組みは初めて

 ▼オリーブは健康食品として注目を集め、特にオリーブオイルの需要は多く、商品価値が高い。最近、オリーブオイルをふんだんに使ったアヒージョというスペイン料理を初めて口にしたが、とてもおいしく、さすがにワインとの相性もぴったりだった

 ▼日本オリーブ協会によると、栽培も容易。日当たりと水はけの良い場所を選べば、柑橘[かんきつ]類の5分の1程度の労力で栽培できる。何より果実は渋みが強く、鳥獣被害に遭わないのが魅力

 ▼耕作放棄地対策や新農産物として優れているばかりでなく、栽培が普及すれば荒廃した伊豆の田園も、地中海沿岸のようなリゾート風景に生まれ変わるかもしれない。景観の面でも、オリーブの可能性は大きい。

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