1面コラム 潮の響=“リアル書店”の出合い

2017年10月24日

 「この雑誌は○月○日から貸し出します」―。町の図書館の雑誌コーナーに整然と並んだ月刊誌の最新号に、ただし書きがあった。館内閲覧のみで、次号が登録された時点で借りられる場合が多いようだ

 ▼先日、文芸春秋の社長が、売り上げの減少が続く文庫本の図書館での貸し出し中止を、全国図書館大会で要請する―という記事を複数の全国紙で読んだ。町の図書館は冊数は少ないものの、文庫本を貸し出している。利用者は歓迎するところだが、出版社にとっては切実な問題提起であろう

 ▼本は不思議なもので、何げなく寄った書店で意外な一冊と出合える喜びがある。本紙・経済ジャーナル「トップに聞く」で、サガミヤ(本社・伊東市竹の内)の沼田渉社長が「目当ての本の横で気になる本が見つかり、読書の幅が広がる。そこが書店の良さではないか」と話していた。その通りだろう

 ▼ご無沙汰していた近所の書店に行った際、品ぞろえや本の見せ方が以前と変わっていた。店主は「息子が手伝うようになったんだよ」と話した

 ▼町の“リアル書店”は活字文化を支えるだけでなく、ちょっとしたうわさ話や情報が行き交う場でもある。ネット通販にはない出合いを提案し続けてほしい。

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