1面コラム 潮の響=公害の昔と今

2017年10月19日

 「公害」と聞いて、何を連想するだろうか。年配者なら後に「四大公害病」と呼ばれた「水俣病」や「四日市ぜんそく」などを思い浮かべるに違いない。県内なら富士市・田子浦港の「ヘドロ」か。公害という言葉が一般化したのは、これらが問題化した1950~60年代という

 ▼こうした社会背景を受けて環境庁(現環境省)が誕生したのは71年だった。事実上の初代長官は大石武一衆院議員(09~2003年)で、水俣病の患者救済などに尽力した。さらに日本の針路を「環境対策先進国」へ舵を切ったことで知られる。清潔感あふれる国になった原点は、ここからなのかもしれない

 ▼1993年に制定された環境基本法は、典型7公害として(1)大気の汚染(2)水質の汚濁(3)土壌の汚染(4)騒音(5)振動(6)地盤の沈下(7)悪臭−を挙げている。東日本大震災後、2012年の改正で放射性物質が公害物質に加えられた

 ▼震災後、再生可能エネルギーへの転換が進んでいるが、「メガソーラー」と呼ばれる大規模太陽光発電施設の建設が環境や景観を損なうとして、計画がある伊東市で大問題になっている。“国策”のはずが皮肉である

 ▼きょうは大石氏の命日。存命なら、この問題にどんな見解を示しただろうか。

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