1面コラム 潮の響=灯台の役割、存在を見直そう

2017年09月30日

 下田市須崎の爪木埼灯台が今年、日本ロマンチスト協会と日本財団から「恋する灯台」に認定された。灯台をロマンスの聖地として再価値化し、町づくりを支援するプロジェクト。なるほど、灯台の多くは景勝地に立地し、ロマンチックなスポットだ

 ▼灯台といえば、木下恵介監督の映画「喜びも悲しみも幾年月」(1957年)を思い起こす年配者も少なくないだろう。灯台守の夫婦が全国の灯台を渡り、幾多の苦難を乗り越え絆を深めていく物語

 ▼その灯台守も、2006年に無人化された長崎県女島灯台を最後に姿を消した。東伊豆町白田と稲取の間のトモロ岬に昔、灯台(旧稲取灯台)があった。この灯台を守った萩原すげさん(1894~1990)は、日本最初の女性灯台守として知られる

 ▼すげさんは、稲取から下田まで往復50キロを歩いて講習に通い、資格を取得した。1914年から管理者を務め、戦争激化に伴い42年に閉鎖されるまで約30年間、10人の子どもを育てながら灯台守を続けた

 ▼三方を海に囲まれた伊豆半島には、いくつもの灯台があり、それぞれの灯台にさまざまな思いやドラマがあることだろう。ロマンスだけではなく、身近な灯台の役割や存在を見直したい。

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