1面コラム 潮の響=鏡ケ浦

2017年09月24日

 千葉県の館山湾には「鏡ケ浦」の別名がある。イラストレーターの故・安西水丸さんの著書「エンピツ絵描きの一人旅」(新潮社)で知った

 ▼その館山湾に臨む館山市などを発行エリアにする日刊紙が房日新聞。本紙と紙面交換を始めたことから先日、初めて目にした。中面に「鏡ケ浦」と題したコーナーがあった

 ▼副題に「出船 入り船」とある。館山湾を航行する船舶を紹介するコーナーだ。「液化エチレン運搬船『大華山』」「押し船『第1光運丸』」「鋼材運搬船『成秀丸』」―。これまで見たことも聞いたこともない船ばかりだった。海上交通の要衝だけあって、多くの船が行き来するのだろう

 ▼館山湾ほどではないにしろ、伊豆東海岸にも、いろいろな船が来航する。熱海市の多賀湾に停泊していた米国企業の所有する海洋調査船は、ブリッジ上のレーダードームや船尾のクレーンなどのごつい装備に驚かされた。伊東市沖で見た大型帆船「日本丸」はさすがに美しかった

 ▼空気が澄んでくるこれからの季節、ぼんやり海を眺めるのもいい。〈…遥かに見える青い海、お船が遠く霞んでる…黒い煙をはきながら お船はどこに行くのでしょう…〉(唱歌「みかんの花咲く丘」)。丘に登ろう。

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