1面コラム 潮の響=地域の歴史、文化を知る

2017年09月12日

 熱海芸[げい]妓[ぎ]見番歌舞練場で三味線や踊りの稽古に励む芸妓衆、松崎町のなまこ壁の街並み、南伊豆町の石室神社、下田市で昔ながらの農法で米を栽培する生産者…。チェコ国営テレビで人気の旅番組の撮影が8月半ばから、伊豆各地で行われた

 ▼カメラマンは2015年東京国際映画祭の受賞作を手掛けた若手実力派。日本での番組撮影は5度目で、今回は伊豆の文化や歴史、伝統を紹介したい―と、撮影対象を選んだという

 ▼見番での撮影の様子を取材し、脳裏によみがえったのが尾崎紅葉生誕150周年記念シンポジウムでの熱海温泉誌作成実行委員会代表の内田実さんの見解だった。温泉地がメディアへの露出を図る上で大事なことは「歴史や文化、資料、史跡などがあるか、それにいかに付加価値をつけるかではないか」と話した

 ▼前後して、香港の旅行雑誌の取材が熱海など県内各地であった。案内役の関係者から、なぜそこにあるのか、なぜ有名なのか、歴史や理由が明確なものに興味を持ち、取材したという話も聞いた

 ▼二つの海外メディアの取材者の視点が、内田さんの指摘と重なるのが興味深かった。伊豆の魅力発信のためにも、あらためて地域の歴史や文化に目を向けたい。

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