1面コラム 潮の響=減災へ森林の手入れを

2017年08月28日

 7月に発生した九州北部豪雨で集落を襲った土石流の映像を、ある森林団体の関係者はわれわれとは違う目で見ていた。「森林の放置という“人災”の面もある」と

 ▼豪雨災害は、同月5日から6日にかけ起きた。台風3号や梅雨前線の影響で集中豪雨があり、福岡県朝倉市で586・0ミリ、1時間当たり最大で129・5ミリの雨量を記録した。住宅など750棟が全半壊し、36人が死亡、21人が負傷した

 ▼集落を襲い、橋を押し流したのは、ただの土石流ではなく、山に林立していたおびただしい数の樹木だった。関係者は「映像で見たところ、大半はスギやヒノキ。皮が剥がれ出荷される前の材木のように見えるけど、放置されたため成長不足の山の木で、流される途中で皮が剥がれた」とみる

 ▼戦後、ナラやクヌギが多かった全国の山に、有用なスギやヒノキが植えられた。間伐などが必要だが、山村の過疎化とともに放置され、密植状態になって木や下草が育たない山が増えている。利用するための間伐が望ましいが、思うように進んでいないという

 ▼関係者は「元々、スギやヒノキは根が張らないので、近年の豪雨に山が耐えられない」とも。減災を図るためにも森林の手入れが必要と指摘する。

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