1面コラム 潮の響=空き家問題

2017年08月25日

 熱海市は今月、県宅地建物取引業協会と空き家等の利活用に関する協定を締結した。不動産のプロのノウハウとツールを駆使し、空き家の市場流通を促す。防災上のネックとなる、倒壊が心配される放置物件の発生防止や移住・定住の促進を図る

 ▼伊豆地区では三島市や伊豆の国市が先行して取り組んでいる。賀茂地区の市町でも県と協力して移住体験ツアーや移住お試し住宅を展開するなど、空き家の利活用による移住・定住促進に躍起になっている

 ▼2013年の総務庁調査によると、全国の空き家は約820万戸、5年前に比べ8・3%増えている。総住宅戸数に占める割合は0・4ポイント上昇して13・5%となり、現在も増加の一途をたどっている

 ▼下田市の一等地に住んでいた知り合いの老夫婦が最近、家と土地を地元企業に破格値で売却し利便性の良い伊豆北部の集合住宅に転居した。東京で会社勤めする一人娘の「空き家の処分で将来苦労したくない」の一言がきっかけという

 ▼日本の土地神話は都心の一等地などを除けば、バブル経済とともに崩壊した感がある。人口減少、少子化で拡大する空き家問題は、景観や防犯・防災の問題ばかりでなく、ふるさとの活力をもむしばんでいる。

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