1面コラム 潮の響=障害者雇用

2017年07月14日

 将来の就労を夢見て就労支援施設で作業や訓練に励む障害者は少なくない。だが現実は厳しく、施設で得られる工賃は全国平均で月額約1万5千円。自立にはほど遠い

 ▼私たちの死後この子は何を頼りに生きていけばいいのだろう―。知的障害のあるわが子の将来を憂う伊東市内のある夫婦の言葉だ

 ▼昨年4月に施行された改正障害者雇用促進法では、障害者の雇用を事業主に義務づける法定雇用率を2018年4月から現行の2・0%が2・2%に、20年度末には2・3%に引き上げられる。従業員50人以上の事業所が対象で、中小・零細が多い伊豆地区では義務が生じる事業所が限られる

 ▼熱海市は本年度、基幹産業である旅館・ホテルの障害者雇用促進に乗り出した。障害者も活躍できる業務を洗い出し、就労に意欲的で適性のある障害者と事業所を結びつける新しい障害者雇用支援事業となる。客室清掃や布団敷き、料理の配膳などの業務を想定している。人手不足解消が喫緊の経営課題である観光産業の振興も狙う熱海らしい取り組みだ

 ▼きちょうめんで健常者にも勝る勤勉性、技能を持つ障害者は少なくない。真のユニーバーサルな観光地づくりの一つとして確かな成果を期待したい。

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