1面コラム 潮の響=ホトトギス

2017年05月08日

 今年は桜の開花が遅かったからだろうか、春が終わったと思う間もなく新緑の季節がやって来た気がする。緑豊かな伊豆の山々を見て思い浮かぶのはやはり、「目には青葉 山ほととぎす 初がつお」の句か

 ▼この句について気になったことがある。「目には青葉」は見たままだから分かる。「初がつお」は刺し身もタタキも大好物だ。では「山ほととぎす」は。恥ずかしながらこれまで、ホトトギスを見たことがないのだ

 ▼そこで伊豆野鳥愛好会の酒井洋平会長に聞いてみた。「夏鳥で5月半ばすぎに渡って来る。あまり姿は見せないが、さえずりは多くの人が耳にしているはず。昼夜を問わず『キョッキョッ、キョキョキョキョ』と鳴く。『特許許可局』に聞こえるからすぐ分かる」と教えられた

 ▼昔から、夏の訪れを告げる鳴き声として親しまれてきたという。そう言えば「鳴かぬなら…」の句に出てくるのもホトトギスだった

 ▼鳴かないホトトギスで、信長、秀吉、家康の性格を言い表した句。最近の社会は「殺してしまえ」(信長)や「鳴かせてみせよう」(秀吉)が幅を効かせているようで、少々気になる。時期になればホトトギスは必ず鳴く。「鳴くまでまとう」(家康)が一番だろう。

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