1面コラム 潮の響=福島で働く友人

2017年03月11日

 4年前、東京の友人たちに誘われて東北を旅した。宮城県の松島海岸から島巡りの観光船に乗って塩釜港に着いた。近くに大きなモニュメントがあり、震災時の津波の高さが示されていた

 ▼翌日、「南三陸さんさん商店街」で買い物をした。立ち寄った店の人たちはみな元気よく迎えてくれたが、笑顔の向こうに多くの苦しみをしまい込んでいただろう

 ▼“あの日”から6年。「さんさん」の3月3日、かさ上げした土地で、本格的に再建した南三陸志津川さんさん商店街の会長を務める阿部忠彦さんが静岡新聞の「時の人」(6日付)で紹介されていた。「これからが本番」との言葉があった

 ▼震災の後、伊豆の友人が福島県に移住し、除染作業の仕事に就いた。突然のことで驚いた。たまに伊豆へ帰った時に連絡をもらい、飲みに行くが「元気でやってるかい」と励まされる。日焼けし、たくましさが増した。仕事のことを聞いても多くを語らず「まあ飲もう」と言う

 ▼いつだったか、その友人から日本酒が届いた。浪江町にあった酒蔵の“海の男の酒”だった。酒蔵は震災の影響が大きく、山形県長井市に移る決断をして、酒造りを再開したと後で知った。東北も、友人のことも心に留め置きたい。

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