1面コラム 潮の響=物語に出会う喜び

2017年03月02日

 午前0時が来るのを待ちきれぬ様子で並ぶ人たちの姿が、テレビニュースに映った。購入した本を手に喜々とした表情でインタビューに答えるファン。東京では徹夜の読書会もあり社会現象であることを再認識した

 ▼作家村上春樹さんの新作長編小説「騎士団長殺し」(2巻、新潮社)が発売された。伊東の書店に予約し購入した。伊豆での売れ行きはどうか。若い人はあまり読まないようだと聞いた。村上作品の複数巻にわたる長編は「1Q84」以来7年ぶり。一気読みはせず、じっくりと物語に向き合っている

 ▼新刊発売を前に村上作品の翻訳者の一人、ジェイ・ルービンさんの著書「村上春樹と私」(東洋経済新報社)を知った。作品との出合いが「人生を大きく変えた」といい、私生活でも親しく交流していることなどをつづっている。作家と翻訳者の意外な一面が分かり興味深い

 ▼日本の文学に心を奪われたというルービンさんが以前、来日した時に薦めていたのが国木田独歩の小説「忘れえぬ人々」。読んでいなかったのでネットで検索したら青空文庫に行き当たった

 ▼時代や国境を超え、作家が魂を込めた物語に出合うことは、村上さんの言葉を借りれば「小さくとも確かな幸せ」だ。

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