新たに重文、登録有形文化財ー熱海

熱海版 2019年03月19日

重文に指定される「色絵十二ケ月和歌花鳥図角皿」の1~3月(MOA美術館提供)
重文に指定される「色絵十二ケ月和歌花鳥図角皿」の1~3月(MOA美術館提供)
重文に指定される「色絵十二ケ月和歌花鳥図角皿」の10~12月(MOA美術館提供)
重文に指定される「色絵十二ケ月和歌花鳥図角皿」の10~12月(MOA美術館提供)
国登録有形文化財になる「旧井上侯爵家熱海別邸(清光園)」=泉
国登録有形文化財になる「旧井上侯爵家熱海別邸(清光園)」=泉

 熱海市の世界救世教が所有する尾形乾山作「色絵十二ケ月和歌花鳥図角皿」が国重要文化財(重文)に、泉にある昭和前期の別荘建築「旧井上侯爵家熱海別邸(清光園)」が国登録有形文化財になることが本決まりになった。国の文化審議会(佐藤信会長)が18日、指定・登録するよう文部科学相に答申した。市内の国指定文化財は77件(うち美術工芸品74件)に、国登録文化財は14件になる。

 ■重要文化財「色絵十二ケ月和歌花鳥図角皿」 高い技術と発色の良さ

 尾形乾山(1663~1743年)の角皿は、藤原定家の「詠花鳥倭歌各十二首」の和歌各1首を皿の裏面に書き、表面にはその歌意を表した文様を描いている。文学に造詣の深い乾山ならではの造形趣向を端的に表した、初期乾山焼きにおける代表作の一つ。12月の皿の底裏に製作年が記されていて、乾山の鳴滝窯時代の最古の紀年銘資料として知られる。

 縦横16・8センチ、高さ2・2センチで、素地に白化粧をし、絵付けをした後に透明の釉(うわぐすり)をかけて低温土で焼成、板作りの正方形の皿をゆがみなく焼き上げた高い技術と、絵付けの発色の良い精作と評価された。

 保管するMOA美術館は「当館のコレクションの特徴である琳派(りんぱ)の作品が新たに重文に指定され、大変うれしく思う。今後も光琳・乾山兄弟らの琳派の顕彰に努めていきたい」と話した。同美術館所蔵の重文は67点になる。

 ■登録有形文化財「泉の旧井上侯爵家熱海別邸」 昭和前期の別荘建築 

 旧井上侯爵家熱海別邸は、千歳川沿いに残る寄棟造り2階建てで、南東面に開口を取った開放的な造り。台形に張り出した1階洋室には、造り付けの長椅子を備える。和室のふすまは障壁画仕立て、2階室内には数寄屋意匠を取り入れている。和風建築に洋室を内包するなど地域的特色を示し、政財界人の一大別荘地として発展した熱海の近代史を示す事例として貴重と認められた。

 元老井上馨の養孫で陸軍少将の井上三郎が1936年、早山石油の創業者早山与三郎に売却した。早山氏は隣地で旅館「清光園」を営み、旅館を手放した後の85年に南東方向へ約25メートル曳屋(ひきや)をして建物を残した。

 現在は早山家の子孫が簡易宿泊施設を営む。館主の牧田健二さん(72)は「先代が曳屋をしてまで残した建物の価値が認められうれしい。長く残していきたい」と話した。

 ■重文指定は県内1件

 国の文化審議会が18日に答申したのは、美術工芸品の3件を国宝、41件を重文に指定、登録有形文化財に美術工芸品2件と建造物153件登録を登録すること。このうち県内からの重文指定は尾形乾山作の角皿のみ、登録有形文化財への登録は3件25棟で、県内の重文は187件(国宝10件を含む)、登録有形文化財は261件となる。

 【写説】重文に指定される「色絵十二ケ月和歌花鳥図角皿」の1~3月(MOA美術館提供)

 【写説】重文に指定される「色絵十二ケ月和歌花鳥図角皿」の10~12月(MOA美術館提供)

 【写説】国登録有形文化財になる「旧井上侯爵家熱海別邸(清光園)」=熱海市泉

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