長谷川路可のフレスコ画“復活”―熱海・古屋旅館

熱海版 2018年11月29日

大浴場「宇宙風呂」のリノベーションに伴い駐車場の壁画としてよみがえった長谷川路可のフレスコ画=東海岸町の古屋旅館
大浴場「宇宙風呂」のリノベーションに伴い駐車場の壁画としてよみがえった長谷川路可のフレスコ画=東海岸町の古屋旅館

 ■閉鎖大浴場の壁画30年ぶり公開 「熱海温泉の歴史感じて」

 昭和の時代に熱海市東海岸町の老舗旅館・古屋旅館の大浴場壁面を彩っていた画家長谷川路可のフレスコ画が今秋、“駐車場の壁画”としてよみがえった。宇宙神話をテーマに太陽系の星々の神を描いた大作だが、大浴場の閉鎖に伴い約30年間、人目に触れないままだった。同旅館の内田宗一郎社長(45)は「皆さんに見てもらい、熱海温泉の歴史の厚みを感じてもらえたらうれしい」と話す。

 フレスコ画は1957年の旧ソ連による世界初の人工衛星打ち上げ後、制作された。同旅館の内田進会長(72)は「スプートニク号が打ち上げられ、夢が宇宙に開けた時代に、『宇宙風呂』を造ろうということになり、宇宙をテーマに描いてもらったようだ。湿気に耐えられるようにフレスコ画にしたのではないか」と経緯を説明する。

 幅20メートル余り、高さ約2・5メートルで、ビーナス(金星)、ネプチューン(海王星)、アダムとイブ(地球)などが独特のタッチで描かれている。内田進会長は「完成からしばらくは天井から人工衛星もつり下げられていた」と振り返る。

 80年代まで大浴場・宇宙風呂は使われていたが、旅館の改築に伴い閉鎖され、フレスコ画も長く日の目をみることがなかった。今春、駐車場へのリノベーションに着手した際、旅館の“資産”の一つで、熱海温泉の歴史の一端を伝える路可作品を生かすことを決め、壁面のタイルごと残して改修工事を進めた。

 完成後、駐車場の入り口には「フレスコ壁画の駐車場」の看板を掲出。撮影スポットとしてPRする。同旅館には人気漫画「テルマエ・ロマエ」のようだといった声が寄せられるほか、長谷川路可の研究者らの関心を集めているという。

 長谷川路可(1897~1967年) カトリック美術家として宗教画に取り組み、フレスコ・モザイク壁画も手掛けた。旧国立競技場のモザイク壁画などの作品がある。

 【写説】大浴場「宇宙風呂」のリノベーションに伴い駐車場の壁画としてよみがえった長谷川路可のフレスコ画=熱海市東海岸町の古屋旅館

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