ホテル開業相次ぐ熱海 10施設近く計画進行

熱海版 2018年11月03日

2016年4月にオープンした「熱海TENSUI」(右)の前で進むホテル建設=熱海市小嵐町
2016年4月にオープンした「熱海TENSUI」(右)の前で進むホテル建設=熱海市小嵐町

 ■内外投資家、首都圏近い立地に注目 バブル期以来だが、人手確保課題

 宿泊客数のV字回復で注目を集める熱海市で、バブル期以来となるホテルの開業が相次ぎ、開業計画もめじろ押しだ。2017年4月以降に6施設が開業。伊豆海山(いずみやま)不動産鑑定事務所によると、JR熱海駅近くに進出するプリンスホテルなどを含め、10施設近くの計画が進行している。同事務所の柳田毅不動産鑑定士は「ホテル投資の規模はおそらくバブル期以来」と話す。

 国内外の企業が参入しており、特に中国系の企業、投資家は既存施設を改修するケースが多い。昭和町の旧カメラ店舗を改修して今年5月、ホテル「伊豆の海」としてオープンさせたほか、「お宮の松」の正面にあり、10年間未入居だった東海岸町の大型商業施設は高級ホテルに改修されている。

 国内企業は今年7月に開業した渚町の「リブマックスリゾート 熱海シーフロント」のように既存施設の好調を受けて別館、新館を新たに建設する。大型商業施設に隣接する更地には、市内でラビスタ伊豆山を運営している共立メンテナンスが300室以上の新築を計画している。そのほか、小嵐町でも54室のホテルが2020年3月の完成を目指し、工事が始まった。

 ターゲットは若者から高齢者、裕福層と幅広いが、高価格帯の施設が目立つ。都内の大手ホテルチェーンは「東京から近い立地は非常に魅力的。20年の東京五輪を機に、外国人をはじめ、さらに宿泊客が増えると見込んでいる」と進出理由を説明する。

 市街地ではバブル期の1980年代~90年代にかけて宿泊施設の高額取引が相次いだ。バブル崩壊後は投資が止まり、新たな宿泊施設の開業は少ない状況が続いていた。

 斉藤栄市長はホテルラッシュの現状について「熱海の好調が再び投資を呼び、より多くの宿泊客を受け入れられるようになる好循環が生まれている」と歓迎する。導入を検討している宿泊税で、市の観光財源確保も見込まれる。

 一方、熱海市内では従業員を充足できない旅館・ホテルが多く、稼働客室数を抑制する“売り止め”に踏み切っている施設もある。ホテル・旅館の人手不足は深刻だ。

 熱海ホテル旅館協同組合の目黒俊夫理事長は「観光客に楽しんでもらえる環境が整ってきている」と宿泊施設の増加を歓迎する。しかし、客室の増加については「施設が増えれば労働力が分散し、人手不足が加速する可能性もある。東京五輪前後に市内の客室は千室ほど増えるとみている。果たしてそこまでの需要があるのか、一時的に稼働があっても半永久的に続くとは限らない」と懸念も示す。

 【写説】2016年4月にオープンした「熱海TENSUI」(右)の前で進むホテル建設=熱海市小嵐町

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