姫の沢自然の家、聴覚障害者の宿泊拒否 災害時対応理由に―熱海

熱海版 2018年07月11日

聴覚障害者の宿泊拒否が問題となった熱海市の姫の沢少年自然の家=伊豆山
聴覚障害者の宿泊拒否が問題となった熱海市の姫の沢少年自然の家=伊豆山

 ■「配慮足りなかった」 

 熱海市の青少年教育宿泊施設「姫の沢自然の家」が1月、聴覚障害者団体の宿泊研修の受け入れを断っていたことが10日までに、関係者への取材で分かった。災害時における対応の不安が理由だが、所管する市教育委員会は「配慮が足りなかった」と団体側に謝罪した。

 宿泊を申し込んだのは県聴覚障害者協会。担当者によると、日本ろうあ連盟青年部による100人規模の1泊2日の宿泊研修の手配依頼を受けて1月23日、電話で利用を打診した。応対した職員は災害対応の面で難色を示し「専用施設を利用してはどうか」と言って受け入れを断ったとしている。

 2016年4月施行の障害者差別解消法ででは障害者への不当な差別を禁じ、行政や事業所に対して「合理的配慮」を求めている。県も17年4月に県障害者差別解消推進条例を制定し、差別解消に取り組んでいる。

 県を通じて同協会から抗議を受けた市教委は担当者が法律、条例をよく理解しておらず対応に問題があったことを認めて謝罪。県からの事実確認、市の指導を受けて同施設は受け入れ体制をその後整えたが、同連盟の宿泊研修は静岡市内のホテルで7月14、15日に行われることになった。

 佐藤康弘施設長は「耐震性能がない老朽化した建物でバリアフリーでもない。火災警報器の音が聞こえないことが不安で、安全を考え他施設の利用を勧めたのだが、言葉足らずだった」と語った。

 取材に対し同協会の小倉健太郎事務局長は手話通訳者を介して「法律は合理的配慮を求めているが、現実には同じようなことがあらゆるところで起きている。少しの筆談で私たちは多くを理解できるし、健常者と同じサービスを受けたいと思っていることを理解してほしい」と話した。

 指定管理者である市振興公社が運営する同施設は宿泊定員139人で、特別支援学校など障害者の利用実績もある。老朽化などの問題で今年9月末での廃止が決まっている。

 【写説】聴覚障害者の宿泊拒否が問題となった熱海市の姫の沢少年自然の家=熱海市伊豆山

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